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半導体産業の復活はあるのか
その3 ラピダス
『視点を磨き、視野を広げる』第79回

11月 19日 2024年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

◆はじめに

半導体産業復活に向けて、日本政府が巨額の支援をする複数のプロジェクトが進行中である。その中心に位置づけられるのは、北海道千歳市で2027年に最先端半導体の量産を目指すRapidus(ラピダス)(*注1)である。ラピダスは、民間企業8社(トヨタ、ソニー、NTTなど)が出資して設立されたが、実質的には政府肝煎りの国策会社である。補助金9200億円がすでに決まっているが、追加で4兆円程度の税金投入が必要だとみられる大プロジェクトなのである。

政府支援の大きさからもラピダスへの期待がうかがえ、まさに日本半導体産業復活の象徴となるプロジェクトといえる。しかし、ラピダスには課題が多い。 記事全文>>

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わかりやすく説明する世界のロケット・宇宙衛星産業の現状
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第279回

11月 15日 2024年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住26年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

ロケットや宇宙衛星など、私たちが普段生活しているうえでは絶対にお目にかかれない機械・器具類がある。一部の専門家を除いてはこれらの宇宙産業に関心を示す人は少ない。ところが実際には「気象予報」「Wi-Fiなどの通信」「衛星放送」「位置情報」など、私たちの生活はこれら「宇宙産業の恩恵無くして生きていけない」ほどになっている。また近年これら宇宙産業の進化のスピードは目覚ましいものがある。日本企業にとって、この領域での技術の遅れはあらゆる先端技術での敗北を意味しかねない。今回は、世界との技術の遅れが顕在化しつつある日本の宇宙産業に警鐘を鳴らす意味を込めて、世界のロケット・宇宙衛星産業の現状を紹介する。 記事全文>>

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是正されない正規雇用比率の男女格差
子育て課題の認識共有を
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第79回

11月 12日 2024年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。著書に『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書2753、2024年9月)。

20年ほど前、ニューヨーク滞在時に興味深い話を聞いた。現地の子どもたちは、13歳の誕生日を迎えると、「私、今日からベビーシッターができるようになったので、いつでもお呼びください」と、近所を訪ね歩くというのだ。

前日までは、保護者やベビーシッターらの目の届く範囲でしか行動を許されなかった子どもたちである。

ニューヨークでは、13歳未満の児童を一人にすることは違法とされる。登下校時はもちろん、親の不在時に自宅に一人残すのも違法という。万一事故が起きたときは、罪に問われるおそれがあるそうだ。

おかげでベビーシッターは、高校生にとってよいアルバイトだという。知り合いから頼まれ、親が帰宅するまでの時間を、児童とともに過ごす高校生が一定数いるようだ。 記事全文>>

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日本のマスコミが伝えない欧州のEV事情
ドイツ 見たまま聞いたまま
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第278回

11月 01日 2024年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住26年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

中国の経済状況やEV(電気自動車)事情について今年2月、現地を視察してきた。タイでは昨年後半から中国製EVの進出が急増、この背景を知りたいと思ったからである。日本車のシェアはあっという間に従来の90%台から78%まで急落した。競争力を持った中国製EVが中国から安い値段で輸出されてくる。タイの若者や富裕層がこの中国製EVに飛びついた。一方で、日本のマスコミは「中国が明日にも破綻(はたん)する」といったような記事を垂れ流す。「中国の実態を知りたい」と強く思い、中国を訪問したのである。 記事全文>>

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なぜ日銀の国債購入は財政ファイナンス酷似といえるのか
国の負債超過700兆円を日銀が支える構図に
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第78回

10月 07日 2024年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。著書に『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書2753、2024年9月)。

日本銀行は、異次元緩和の11年間に、国債保有額を約465兆円増やした。この間の新規国債発行額が約518兆円だったので、財政赤字の約9割を日銀が面倒みた計算である。

この国債購入をめぐっては、「財政ファイナンスとほぼ同等」とする見方と、「あくまで物価目標の達成のために行うものであり、財政ファイナンスには当たらない」とする日銀の見解が対立してきた。

日銀が、財政ファイナンスを意図して国債を購入したわけでないのは明らかだ。しかし、あまりにも巨額の購入を続けたために、経済機能的にみて財政ファイナンスとほぼ同等となったことも間違いない。これを国と日銀のバランスシートから確認してみよう。 記事全文>>

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世界最先端の半導体会社NVIDIAの技術の強み(その2)
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第276回

10月 04日 2024年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住26年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

        NVIDIAの企業分析

ここからは、NVIDIAがAIに使われるGPU市場において高いシェアを獲得し、また成長市場にも関わらずその地位を維持し続けている要因について解説する。NVIDIAのGPUの技術的な特徴や製品開発の歴史など、できる限り深い次元まで明らかにしたい。 記事全文>>

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半導体産業の復活はあるのか
その2 日本半導体凋落の原因を雇用システムに見る
『視点を磨き、視野を広げる』第78回

10月 02日 2024年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

◆はじめに

前稿では、日本の半導体産業凋落(ちょうらく)の原因を考えた。原因に関しては諸説あるが、湯之上隆(*注1)は、日本の半導体メーカーの「高品質病」に凋落の根本原因を見る。

1980年代に日本のDRAM(*注2)は汎用(はんよう)コンピューター向けの高品質(長寿命)製品を作ることに成功して、半導体売上の世界シェアトップに立った。その後、市場環境の変化(汎用コンピューターからパソコンへの主役交代)があり、低価格で大量供給が可能な製品が求められた。しかし日本メーカーは高品質を止められず(過剰品質)、市場ニーズに合致した製品を作り出せなかった。凋落の直接的原因は、市場変化への不適応であるが、湯之上はさらに不適応の原因を探り、「高品質病」を見いだすのである 記事全文>>

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「異次元緩和の罪と罰」
金融正常化はできるのか?
『山田厚史の地球は丸くない』第272回

9月 27日 2024年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「ニュース屋台村」執筆陣の1人、元日銀理事の山本謙三さんが『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書)を出版された。新書と思えない重い中身である。日銀が黒田東彦(はるひこ)総裁の下で、いかに異常な金融政策に手を染めたか。その結果、日本経済は身動きが取れない極めて危うい状況になっていることを淡々と述べている。豊富なデータとこれまでの経緯を紹介し、日銀がしでかしたことを「内部批判者」の視点で書き綴った渾身(こんしん)の一冊である。

「金融政策は難しくて、素人にはわからない」と目を背けがちだが、無関心でいるうちにとんでもない所まで来てしまった。「私たちはこれからどんなツケを払うのか」と本の帯にある。さあ、どんなツケが回ってくるのか。まずは読んで、考えていただきたい。 記事全文>>

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世界最先端の半導体会社NVIDIAの技術の強み(その1)
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第275回

9月 20日 2024年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住26年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

パソコンや携帯電話で数多く使われる半導体。しかし半導体の仕組みを本当にわかっている人はあまり多くない。この半導体がここ数年で急速な進化を遂げている。そしてその進化を支えているのが米国のNVIDIA(エヌビディア)社である。残念ながら日本ではこのNVIDIAの半導体技術を体系的に説明したものがない。今回、このNVIDIAの技術上の強みを、できるだけわかりやすく日本語で説明することを試みた。今回のレポートでは、まだまだ専門用語が多く使われている。しかしNVIDIAの技術の解明と一般化が行われなければ、日本の半導体技術は世界レベルからいよいよ後れを取ってしまう。読み進むのにちょっと苦労するかもしれないが、ぜひご一読いただきたい。2回に分けて紹介する。 記事全文>>

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日銀の「基調的な物価上昇率」は本当に基調的なのか
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第77回

9月 09日 2024年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

日本銀行は、2016年以来、「生鮮食品・エネルギーを除く消費者物価」(いわゆるコアコア消費者物価、以下「コアコア指数」)を「基調的な消費者物価」と呼び、重視する姿勢を示してきた。

「展望レポート」(経済・物価情勢の展望)の物価見通しにも、従来の「生鮮食品を除く消費者物価」(いわゆるコア消費者物価、以下「コア指数」)に加え、20年4月からコアコア指数を参考指標として掲載してきた(ただし、21年4月からの1年間は掲載せず)。

24年3月の金融政策決定会合では、消費者物価の基調的な上昇率が「物価安定の目標に向けて徐々に高まっていく」としたうえで、「見通し期間終盤(筆者注:2026年度)にかけて『物価安定の目標』が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至った」との理由を挙げ、異次元緩和を解除した。

しかし、物価の動向を客観的に眺めれば、コアコア指数が物価の「基調」を表しているようには見えない。エネルギーや生鮮食品を計算から除外するために、物価の判断が歪(ゆが)められているように見えてならない。 記事全文>>

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