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「信用」から日本を考える
第2回 信用貨幣とは何か(その1)
『視点を磨き、視野を広げる』第88回

6月 03日 2026年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

◆はじめに

本稿は、「信用貨幣とは何か」について、人類学者のデヴィッド・グレーバーの著書『負債論―貨幣と暴力の5000年』(以下「本書」)を中心に考える。

グレーバーは、約5000年前の古代メソポタミアの遺跡から発掘された大量の粘土板に書かれていたのは、大部分が信用の記録、すなわち、信用による貸借、神殿による支給の配分、神殿領地の地代、穀物と銀の価格であったことを示す。

それが意味するのは、銀を計算単位として穀物などの信用による取引が行われていたことである。銀貨は存在せず、(銀ならいくらという)価値の尺度として機能していた。農民は、収穫期に穀物を神殿の倉庫に預け、それを貸したり何かと交換したりしていたと考えられている。現代の銀行口座のような機能――信用システム――が存在していたと言える。貨幣論においては、こうした貨幣を「信用貨幣」と呼んでいる。 記事全文>>

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顧客を借金地獄に落とした変額保険
三菱UFJはなぜ取材を拒否するのか
『山田厚史の地球は丸くない』第314回

5月 29日 2026年 社会, 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

日刊ゲンダイ(5月26日付)に「いまだ残る変額保険の火種」というタイトルで以下のような記事を書いた。

◆日刊ゲンダイに書いた記事

メガバンクが史上空前の好決算に沸いている。とりわけ三菱UFJ銀行は純利益が2兆円を突破、3年連続の最高益を更新中だ。その陰で銀行の過酷な資金回収に泣く人が後を絶たない。

都内に住む板橋常夫さん(仮名、79歳)は、自宅を追われようとしている。35年前、三菱銀行から借りた1億3300万円が、いまや2億5000万円に膨れ上がった。返済を迫る銀行側は、問答無用で居住中の自宅を競売に掛けた。すでに入札が始まり、開札は6月3日。執行されれば板橋さん一家はホームレスになる。 記事全文>>

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次なる進出有望国インドの攻略法(2)
地理と気候
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第318回

5月 22日 2026年 国際, 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

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バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

第3章 地理・気候から見たインド
第3章では、地形・土壌・水資源・気候といった自然条件が、①農業体系②生活様式・社会構造③都市形成・産業立地へどのように段階的に影響したかを明確に整理することを目的とする。


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健全化目標 まずは「財政収支の黒字化」を
財政健全化目標を考える(その2、完)
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第97回

5月 20日 2026年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

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オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。著書に『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書2753、2024年9月)。

高市早苗首相は、「責任ある積極財政」の一環として、「PB(プライマリーバランス=基礎的財政収支)の黒字化」を単年度目標から複数年度の管理に切り替え、むしろ「一般政府債務残高対GDP(国内総生産)比率(債務残高比率)の安定的な引き下げ」を重視する姿勢と伝えられる。
 前回第96回では、PB黒字化は財政健全化への「半歩」を踏み出したに過ぎないことを述べた。
 財政健全化にふさわしい真の指標は、やはり2000年度まで政府が目標としていた「赤字国債からの脱却」であり、そこに至るまでの中間目標は「財政収支の黒字化」に置くのが適切だろう。

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PB黒字化は財政健全化への「はじめの半歩」に過ぎない
財政健全化目標を考える(その1、全2回)
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第96回

5月 13日 2026年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

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オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。著書に『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書2753、2024年9月)。

2026年度の当初予算では、PB(基礎的財政収支)が黒字となる見込みにある。01年度に、従前の「赤字国債からの脱却」に代え、「PB黒字化」を財政健全化目標に掲げて以来、初の目標達成となる。
 高市早苗首相は、「責任ある積極財政」の一環として、「PB黒字化」を単年度目標から複数年度の目標に切り替え、むしろ「政府債務残高対GDP(国内総生産)比率(債務残高比率)」の引き下げを重視する姿勢を示している。
 しかし、債務残高比率はトリッキーな指標だ。物価が上昇すれば、財政健全化とは無関係に、同比率は低下する可能性が高い。物価上昇が続くもとでの「債務残高比率」の重視と「PB黒字化」の複数年度目標化は、財政健全化をむしろ阻害するおそれがある。
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次なる進出有望国インドの攻略法(1)
国土の概要と経済の全体像
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第317回

5月 08日 2026年 国際, 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

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バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

日本は高度成長を成し遂げた1980年代ごろから、企業の海外進出を活発化し始めてきた。第2次世界大戦からの復興を力強く成し遂げてきた日本企業は、さらなる販売先を求めてまずは米国に。さらに安価な労働力を求めて台湾、メキシコ、東南アジアと次々に生産拠点を拡充してきた、また、92年に中国の最高権力者であった鄧小平による「南巡講話」によって経済開放政策にかじを切った中国に対しては、販売・製造の一挙両得を狙って進出を果たした。
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「信用」から日本を考える
第1回 総論
『視点を磨き、視野を広げる』第87回

4月 27日 2026年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

◆はじめに

日本の財政赤字は慢性化し、債務残高対GDP(国内総生産)比は2倍を超えて先進国中最悪の状態である。にもかかわらず、財政破綻(はたん)の兆しはなく、長期金利の高騰も見られないのは「謎」であると言われて久しい。

標準経済学は「謎」に対する納得のいく答えを出せていない。一方、「謎」は存在しないと言うのは、MMT(現代貨幣理論)である。MMTは「自国通貨建て国債はどれだけ発行してもデフォルト(債務不履行)の心配はない」と主張する。そして、標準経済学の「貨幣は商品から生まれた」とする貨幣観(商品貨幣説)を、貨幣の起源は債権・債務関係にある(信用貨幣説)として批判する。

経済学は、学派に分かれている。ここでいう標準経済学(主流派経済学)は新古典派経済学を指す。対抗するのがケインズ経済学(非主流派経済学)である。新古典派とケインズ経済学は、貨幣観が異なる。なお、MMT派はケインズ経済学の一学派(ポスト・ケインジアン左派)である。 記事全文>>

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格差社会を助長した世界の金融資産の実態(下)
日本と英国の金融資産動向/全体のまとめ
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第315回

4月 10日 2026年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

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バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

3.3 日本

12 日本の主要種類別金融資産推移(実績値:兆$、金融資産全体に占める割合:%)

出典:IMF、World Bank Data、OECDより筆者作成 記事全文>>

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「嫌中」で粗悪品つかむ
万博EV 不具合で全滅
『山田厚史の地球は丸くない』第310回

4月 03日 2026年 政治, 社会, 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

大阪万博で脚光を浴びながらも不具合続出だった電気自動車(EV)バスが、ついに「お払い箱」になった。「国産EV」との触れ込みだったが、実は中国でも走っていない「欠陥バス」。納入したのは北九州市に本社のある「EVモーターズ・ジャパン(EVMJ)」。万博の商売でハクを付け、全国に売りまくったバスが、なぜこんなことになったのか。

発端は「嫌中」。性能に定評がある中国製バスを敢えて採用せず、「国産」にこだわるあまり、「国産まがいもの」をつかまされた。有力政治家と行政が一体となって中国製粗悪品に補助金をつけて各地に広めるという「笑えない笑い話」となった。自民・維新の与党体制を揺るがす不手際にもなりかねない。 記事全文>>

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格差社会を助長した世界の金融資産の実態(中)
米国と中国の金融資産動向
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第314回

3月 27日 2026年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

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バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

第3章 各国における金融資産動向
3.1 米国

表7 米国の主要種類別金融資産推移 (実績値:兆$、金融資産全体に占める割合:%)

出典:IMF、World Bank Data、OECDより筆者作成
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