引地達也(ひきち・たつや)
コミュニケーション基礎研究会代表。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長などを経て、株式会社LVP等設立。東日本大震災直後から「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。
◆関わり合いで生きている
人は関わり合いの中で生きている、ということは誰もが分かっているはずだが、とかく忘れてしまいがちだから、私がセミナーなどで話をする際には、実感を伴う事例を紹介して「この世は関わり合いである」ことを強調し、その上でコミュニケーションの話を展開している。
原始社会であろうがテクノロジー社会であろうが、関わり合いこそがコミュニケーションであり、コミュニケーションは関わり合いである。「人を助ける」と書いてしまうと、自殺志願者の駆け込み相談である「いのちの電話」や、心理療法士の傾聴などの、少々「重い」コミュニケーションを連想してしまいそうだが、これらは「手段」であり、目的は「関わり合い」から自分の生命を肯定することである。
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