古川弘介(ふるかわ・こうすけ)
海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。
◆はじめに
半導体産業復活に向けて、日本政府が巨額の支援をする複数のプロジェクトが進行中である。その中心に位置づけられるのは、北海道千歳市で2027年に最先端半導体の量産を目指すRapidus(ラピダス)(*注1)である。ラピダスは、民間企業8社(トヨタ、ソニー、NTTなど)が出資して設立されたが、実質的には政府肝煎りの国策会社である。補助金9200億円がすでに決まっているが、追加で4兆円程度の税金投入が必要だとみられる大プロジェクトなのである。
政府支援の大きさからもラピダスへの期待がうかがえ、まさに日本半導体産業復活の象徴となるプロジェクトといえる。しかし、ラピダスには課題が多い。 記事全文>>