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グレートなアメリカ?
幕引き役トランプの登場
『山田厚史の地球は丸くない』第283回

3月 07日 2025年 国際

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」。

トランプの決め台詞(ぜりふ)である。偉大なアメリカを再び。集会でこの言葉を発すると万雷の拍手が起こる。トランプが夢想する「偉大なアメリカ」とは、どんな国なのか。

団塊(だんかい)の世代である私は「偉大なアメリカ」を覚えている。圧倒的な経済力と軍事力、世界を差配する政治力。人々の暮らしは豊かで、アメリカは包容力があり、憧れの対象でもあった。「グレート・アゲイン」というのだから、今はその輝きを失った、というのだろう。で、どんな国になろうとしているのか。 記事全文>>

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遊びの技術思想
『みんなで機械学習』第57回

3月 05日 2025年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆機械学習は最後の機械文明

本論が目指していることは、近代文明の行き詰まりを生き延びながら、AI(人工知能)技術を社会変革に役立てることで、近未来の「データ文明」に至る探究路を開拓しようという試みだ。筆者の読書歴が、哲学と自然科学に偏っているので、用語や論旨が「ニュース屋台村」の読者の皆様には難解であることを申し訳なく思っている。

そこで、SF(空想科学)小説をつまみ食いしてみたら、AI話題(人類と対立するロボットなど)が、50年近く前から、宇宙話題と同じぐらいに、繰り返し文章化されていたことを知って、とても驚いた。当時は、とても恐ろしい物語だったはずなのに、技術としては、ほとんど現実のものとなっていて、「恐ろしい」と思う読者(筆者を含めて)の気持ちは、あまり変化していないのは、救いなのだろうか。人間が、集団として行動するときの残虐性は、生物としての社会性の欠如かもしれないけれども、「恐ろしい」と思う感情が失われたら、本当に恐ろしいことになる。 記事全文>>

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それは哀愁のメロディーなのか
米国のサンシャイン・ポップと今
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第280回

3月 03日 2025年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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特別支援が必要な方の学びの場「みんなの大学校」学長、博士(新聞学)。フェリス女学院大学准教授、文部科学省障害者生涯学習支援アドバイザー、一般財団法人発達支援研究所客員研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。

DEIの大転換

トランプ大統領の米国が始まった。就任日に発せられた大量の大統領令、就任式やダボス会議での演説、それらで表現された「偉大な米国」。パリ協定からの離脱、石油ガス開発の再開や違法移民の送還など、多くのものは予想されていたとはいえ、そこには、これまで信頼と寛容の上で成り立ってきた秩序の否定も含まれる。

特にリベラル政策と位置付けられた「DEI(多様性・公平性・包摂性)」政策の終了は、積み上げてきた国際協調はもとより、米国という国が築き上げた「多様な社会」の在り方を大転換するようで、世界が憧れたあの米国ではなくなる、のだろうか、との失望が先立つ。 記事全文>>

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日本の医療機器の実力は?(その3・完)
CT市場・まとめ
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第286回

2月 28日 2025年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

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バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

  • CT

5-1 CTの概要

13:CTの概要
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半導体産業の復活はあるのか
その4 半導体前工程装置産業のシェア低下
『視点を磨き、視野を広げる』第80回

2月 26日 2025年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

◆はじめに

本稿は、半導体の前工程装置産業の日本のシェアが低下しているという湯之上隆(微細化研究所所長)の問題提起について考える。湯之上の講義(巻末参照)と著書『半導体有事』(以下本書)を参考にしている。

日本の半導体生産は、世界一の座から凋落(ちょうらく)して久しい。一方、装置産業は材料産業と並んで世界トップクラスの競争力を維持しており、日本半導体復活の切り札になるという期待がある。しかし湯之上は、日本の前工程装置産業の世界シェアが低下していることを指摘する。それもほぼ全ての装置でシェア低下が見られるという。対策をとらないと、半導体産業と同じ道を歩むことになると懸念するのである。 記事全文>>

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ドイツの「新しい兵役」からの懸念
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第279回

2月 24日 2025年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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特別支援が必要な方の学びの場「みんなの大学校」学長、博士(新聞学)。フェリス女学院大学准教授、文部科学省障害者生涯学習支援アドバイザー、一般財団法人発達支援研究所客員研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。

◆傍らにある戦争

ドイツは2024年暮れに「新しい兵役」法案を閣議決定した。18歳の男女全員に入隊意向を調査し、意欲ある若者を志願兵にするといい、男性には兵役に対する意欲や能力についてのアンケートに回答する義務を負わせ、国として「国防」意識を認識してもらう狙いもあるという。

ロシアによるウクライナ侵攻による「欧州の戦争」は現実的にドイツの傍らにある。北大西洋条約機構(NATO)の存在が安全を保障するかの疑問が生じる中で、ドイツも新しい国防へと向かうことになった。

戦後のドイツでは、東ドイツや東側諸国との対立の中で、軍の維持は必須だったが、かつてのナチス・ドイツを忌避する感覚が根強く、ドイツ軍への志願が少なかったことで1956年から2011年まで徴兵制を採用していた。18歳以降、9か月間の兵役を基本としながら、良心的な兵役拒否も認めていて、介護施設や公的施設で任務に従事する兵役代替服務があった。 記事全文>>

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「とも喰い予算」でいいのか?
政治の仕事は「優先順位」
『山田厚史の地球は丸くない』第282回

2月 21日 2025年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

国会審議の雰囲気が大きく変わってきた。衆議院で少数与党となった自民・公明は、野党の協力なしに国会を乗り切れない。ヨ党・ヤ党の中間にあるユ党を抱き込んで予算案を通そうと躍起になっている。自民・公明が安定多数を占めていたころは、野党がいくら騒ごうと、最後は数の力で押し切ることができた。そこには議論や妥協の余地はなかった。衆院の勢力がガラリと変わり、高飛車な国会運営はもうできなくなっている。 記事全文>>

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事件を乗り越え、グループホームがつなぐ夢へ
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第278回

2月 19日 2025年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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特別支援が必要な方の学びの場「みんなの大学校」学長、博士(新聞学)。フェリス女学院大学准教授、文部科学省障害者生涯学習支援アドバイザー、一般財団法人発達支援研究所客員研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。

◆失望に変えた事件

最近の障がい者向けのグループホーム事業の拡大は、障がい者が地域とともに生き、暮らす共生社会に向けた希望のはずである。その希望を失望に変えてしまったのが、障がい者向けグループホーム運営大手企業による食材費の過大徴収事件など、各種の不正事件であろう。

事業者が私腹を肥やすだけならまだしも、利用者に提供している食事が粗末だったのは、福祉事業者としての資格も見直すべき事案だ。このような事態は、グループホーム事業拡大で民間企業の参入が増える中で、懸念はしていた。「収益化が容易」とのうたい文句で事業参入を呼びかける広告が飛び交い、私にも「グループホーム事業に参入したいのですが……」との相談も定期的にやってくる。

障がい者に対応する社会の環境が不十分な中で、グループホームを運営するのは簡単ではない。事件を受けて、社会における障がい者を支援する社会福祉事業としてのグループホームの在り方を熟考できればと思う。 記事全文>>

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ポリヘルスの社会戦略
『みんなで機械学習』第56回

2月 17日 2025年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

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株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆ダ・ヴィンチ・コード

暗号解読によって事件を解決する映画「ダ・ヴィンチ・コード」を覚えているだろうか。イタリア・ルネサンス時代の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチのように、芸術、技術、医学など、さまざまな分野で活躍する天才は、「ポリマス」(polymath;博識家)といわれ、知的冒険を楽しみ、閉塞(へいそく)した時代を変革する(※参考:『Polymath: Master Multiple Disciplines, Learn New Skills, Think Flexibly, and Become an Extraordinary Autodidact』〈Peter Hollins, 2020〉、『The Polymath: A Cultural History from Leonardo da Vinci to Susan Sontag』〈Peter Burke, 2020〉)。「マス」はマセマティクス(数学)の略語で、語源はギリシャ語の「マテーマタ」、「学ばれるべきことども」を意味するということを、初めて知った。「ポリ」は「たくさん」という意味なので、「ポリマス」は「たくさんのことを学んだ」博識家であって、文理融合のスーパースターだ。 記事全文>>

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日本の医療機器の実力は?(その2)
エコー・MRI市場
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第285回

2月 14日 2025年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

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バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

3.エコー(超音波診断装置)

3-1 エコーの概要

・エコーは、プローブ(探触子)と呼ばれる装置を人体に直接当てて超音波を送信し、体内から反射した超音波情報を受信、解析し画像化する医療機器である

・超音波の送受信を連続で行うことで、リアルタイムでの動きを観察することができる

・またMRI、CTと連携し、より正確な診断をサポートするためにも使用される

・体外式エコーは、圧電素子方式とCMUT方式の2つが商用化されている 記事全文>>

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