山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
拙稿の前回第316回「『皇統は男系男子』の時代錯誤 高市人気が『愛子さま』に敗れる日」で取り上げた「皇室典範改正案」がなんと、きょう(7月10日)の衆議院本会議で可決されるという。
空転国会が再開される10日、「改正案」は議員運営委員会にかけられ、その日のうちに本会議に緊急上程、採決するという。熟議どころか、議論さえない。天皇制の根幹に関わる議題の審議がこれでいいのか。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
拙稿の前回第316回「『皇統は男系男子』の時代錯誤 高市人気が『愛子さま』に敗れる日」で取り上げた「皇室典範改正案」がなんと、きょう(7月10日)の衆議院本会議で可決されるという。
空転国会が再開される10日、「改正案」は議員運営委員会にかけられ、その日のうちに本会議に緊急上程、採決するという。熟議どころか、議論さえない。天皇制の根幹に関わる議題の審議がこれでいいのか。 記事全文>>
元新聞記者。「ニュース屋台村」編集長。南米と東南アジアに駐在歴13年余。座右の銘は「壮志凌雲」。2023年1月定年退職。これを機に日本、タイ、ラオス、オーストラリアの各国を一番過ごしやすい時期に滞在しながら巡る「4か国回遊生活」に入る。日本での日課は5年以上続けている15キロ前後のウォーキング。歩くのが三度の飯とほぼ同じくらい好き。回遊生活先でも沿道の草花を撮影して「ニュース屋台村」のフェイスブックに載せている。
6月半ば、梅雨の時期の日本から初冬のオーストラリア・シドニーへやってきた。昨年の夏、日本は記録的な猛暑に見舞われ、日中は外に出ることさえほとんど不可能だった。このため夏が終わる頃には、「来年(2026年)は日本の夏を冬のシドニーで過ごそう」と早々に計画し、シドニーに滞在していた昨年10月に今回の滞在日程を決め、すぐに航空券をおさえた。おかげで、米国・イスラエルによるイラン攻撃を受けた原油価格高騰に伴って今年5月に前倒し実施された燃油サーチャージの値上げのあおりを受けることなく、割安で来ることができた。
私にとってシドニーは、バンコクと同様、「回遊生活」の大切で特別な場所――第二の故郷――、言い換えれば「Another Sky」である。9月初めまでシドニーに滞在している間、歩き回りながら新たに気づいたことを綴(つづ)っていこう。 記事全文>>

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。
タイ国内では近年、中国企業の進出が急速に拡大している。二輪・四輪の自動車産業、建設機械、エアコンなどの電機産業、ハードディスクをはじめとする電子部品産業が集積するタイは、もともと日系企業の重要な拠点だった。しかし、今や中国企業が攻勢を強め、在タイの日系企業は厳しい競争を強いられている。
背景には中国経済の構造的な変化がある。中国では2014年に生産年齢人口がピークを迎え、その後景気は低迷傾向に入った。さらに16年に誕生した米国の第1次トランプ政権による高関税政策が中国輸出品に打撃を与えたことで、中国企業は関税回避のため海外へ生産拠点を移す動きを加速させた。その「橋頭堡(きょうとうほ)」となったのが東南アジアであり、タイはその中でも重要な拠点の一つに位置づけられている。 記事全文>>
株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した個体差の機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を、栃木県那須町で模索中。元PGRD (Pfizer Global R&D) Clinical Technologies, Director。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。趣味は農作業。
◆ニュースはAIビジネスの話題ばかり
たぶん、株式市場はAI(人工知能)バブルなのだろう。しかし、AIバブルがはじけたとしても、AIビジネスが停滞したり、衰退したりするとは思えない。インターネットバブルがはじけて、怪しげな新興企業が破綻(はたん)したけれども、インターネット技術は発展し続けた。インターネットのセキュリティーについては、遅ればせながら、大企業で本格的な対応が始まった。インターネットのビジネス需要は確実に発展している。ただし、インターネットバブルがはじけたあとの重要な変化は、インターネットサービス会社の話題がニュースにならなくなり、コロナウイルスや人口問題など、より現実的な社会問題がニュースの主役となった。現在は、AIビジネスの話題がなくなれば、戦争のニュースだけになってしまう。戦争もAIバブルになっているので、AIビジネスの話題と同時期に、戦争の話題もなくなってもらいたいものだ。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
日本国憲法は「第一条、天皇」から始まる。「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」
「この地位」を巡って、深刻な対立がもやもやと広がっている。「皇室典範の改正」を巡る動きだ。誤解を恐れずに言えば、「天皇は男系男子で繋(つな)いでゆくもので、女性はダメだ」という政権中枢近くにいる人と、「愛子さまみたいな女性が天皇になれないのはおかしい」という庶民感覚が、底流でぶつかっている。
政治家・高市早苗首相の政権基盤を揺るがす問題になるかもしれない。「男系男子でなければ天皇になれない」と主張する保守派を束ねているのは首相本人だ。男女同権という近代の思想は、「天皇の血筋は男性によって継承される」という「日本の伝統」に及ばない、と考えているようだ。
高い支持率と強い権力があれば、庶民感覚の議論など吹っ飛ばせると言わんばかりの強引さは、危うい。「早苗ちゃん人気」とは異質の「愛子さま人気」を侮ってはいないか。 記事全文>>
海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。
◆はじめに
前稿では、米国の文化人類学者デヴィッド・グレーバーが、『負債論――貨幣と暴力の5000年』で示す「貨幣とは何か」に関する論考を以下のように整理した。
①貨幣の誕生は、古代メソポタミアの神殿経済が、管理のための計算単位としての貨幣を要請した結果である。歴史上、貨幣の最初のかたちは計算単位(信用貨幣)であった
②基盤的コミュニズム(互助関係)における貸し借りは、数量化(貨幣化)されることで信用・負債関係に転化した。貨幣の本質は、人間の「債権・債務関係の記録(信用・負債)」である
③貨幣は暴力性を内包する。負債の増殖による共同体の崩壊防止のための(信用システム上の)歯止め(徳政令など)を必要とした。戦争のための鋳造(ちゅうぞう)貨幣(硬貨)の誕生によって貨幣の暴力性は飛躍的に高まった
本稿の目的は、上記①〜③を次稿の経済学の視点からの考察につなげることにある。そこで貨幣論と関係すると思われる論点を抽出した。 記事全文>>

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住27年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。
※前稿第319回の「第4章 歴史から見たインド (4)新興宗教(仏教・ジャイナ教)」
から続く
(5)ヒンドゥー教
図7:新興宗教への対抗として再編され、地域社会に深く定着したヒンドゥー教

(出典)各種Webサイトを基に筆者作成
株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した個体差の機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を、栃木県那須町で模索中。元PGRD (Pfizer Global R&D) Clinical Technologies, Director。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。趣味は農作業。
◆ニュースとの接点:ASI時代の初等教育
人工知能(AI)は、囲碁将棋などのゲームだけではなく、コンピュータープログラムの作成やコンピューターシステムのセキュリティー問題点の発見など、人間の専門家よりも効率よく、かつ高度な仕事をこなすようになった。AIシステムをAIプログラマーが作成しているので、急速に進化する仕組みだ。強力な一つのAIシステムの一機能でしかないAIプログラマーは、多数のコンピューター言語に熟達し、AI翻訳はほぼすべての人間の言語を翻訳する。軍事作戦を含む、多くの政策立案にAIが活用されている。仕事の種類は限定されているとしても、AIの知能が人間の知能を超えるASI(人工超知能)の時代になったといっても過言ではない。
筆者はASIの推進者でも信奉者でもない。知能よりも、知性や個性が重要だと考えている。人間中心の価値観や自然観も、信用していない。しかし、ビジネスや軍事では、反抗的な知性や個性よりも、従順な知能のほうが重要であることも事実だ。人間中心ではない、文明社会を想像することも困難だ。 記事全文>>
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
高市早苗首相の「悪あがき」は、目を覆うばかりだ。誰が見ても「詰んでいる」のに、「秘書は、自分の声かどうか確認できないと言っている」などと、「関与」を認めない。
昨秋の自民党総裁選では小泉進次郎氏や林芳正氏をこき下ろす「ショート動画」が大量に出回った。1月の衆院選では岡田克也氏ら中道連合の重鎮を貶(おとし)める動画が「落選運動」のような効果を発揮し「高市大勝利」へと導いた。
動画を作成した人物が明らかになり、高市事務所の公設第一秘書と打ちわせてばらまいた、と認めた。関与を裏付けるZOOM会議の音声まで公開された。権力の座を得るため「汚い手」を使った疑いは濃厚だ。
首相は「関与していない」と言う。ならば、潔白を証明する証拠・事実を示すのが政治家としての責任だろう。出来ないから、逃げまわっている。すくなくとも、そう見える。
高市首相は、そこまで追い込まれているというのに、新聞やテレビが踏み込んだ報道をしていないのはどうしたことか。日々、首相の動向を追っている首相官邸の記者から「高市早苗と中傷動画」のニュースが発信されないのはなぜだろう。 記事全文>>

オフィス金融経済イニシアティブ代表。元NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。著書に『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書2753、2024年9月)。
今年3月、日本銀行は「消費者物価のコア指標」と称して(i)除く生鮮食品および特殊要因(ii)除く生鮮食品・エネルギーおよび特殊要因(iii)除く食料・エネルギーおよび特殊要因――の3指標を公表した。特殊要因には、消費税率の変更や電気・ガス代等の負担緩和策など、5つの制度要因を列挙している。
今回の新指標は、従来「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」として掲げてきた①刈込平均値②加重中央値③最頻値――などとともに、今後公表を続けるという。 記事全文>>