東洋ビジネスサービス
1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。
2015年最初の「実録!トラブルシューティング」は、言葉の表記のトラブルを紹介したいと思います。日本語とタイ語では母音も子音も共に「日本語にあるけれども、タイ語には無い」という音がたくさんあります。そんな日本語とタイ語の違いからちょっとしたトラブルが起きることがあります。
◆日本語とタイ語によるトラブル
まずは今回のタイトルにもなっている「中尾(なかお)」さんのケースから始めましょう。日本行きの航空券を旅行代理店で購入した弊社の中尾、出国前夜にふとチケットを見てみると、なんと自分の名前が「NAGAO」になっています。
すぐに旅行会社に連絡をして事なきを得ましたが、一歩間違えれば搭乗拒否されるかもしれない危機一髪の事態でした。ちなみに、中尾の下の名前は英明(HIDEAKI)ですが、「ハイデアック」さんと呼ばれてヨーロッパ人気分になることもよくあります。
弊社代表の梅木(うめき)のケースは更に深刻です。父親が日本人、母親がタイ人という梅木家では、なぜかタイ語での法律上の正式な苗字の表記が違っています。
タイ語には日本語の「ウ」に近い音が二つ存在します。さらにそれぞれに長母音(長く伸ばす音 「ウー」)と短母音(短く発音する音「ウ」)が存在します。同じウでも人によって登録した役所によってなど、様々な事情で表記が変わってしまいます。
ちなみに、父親のウメキさんの正式なタイ語表記はอูเมกิ 、母親のウメキさんのタイ語表記はอุเมกิ。もちろん両方共カタカナで表記すると「ウメキ」と同じ名前です。
次に紹介するのは、わざわざパスポートを持参して携帯電話の手続きに行った「本田智久(ほんだ・ともひさ)」さんのケースです。無事に手続きを終えて携帯電話を使い始めた本田さんですが、月末にポストをのぞいてびっくり。タイ文字で「フンダ・タモハイサ」さん宛ての請求書を受け取りました。こうなるともう、一体全体誰のことだかわかりません。その他、「額賀(ぬかが)」さんはヌガカさんに、「鈴木」さんは、正式なタイ語の表記で「ススキ」さんになります。スズキ自動車様も、タイ語表記では「ススキ」になっています。
ちなみに、どこに行っても間違えられたことはが無いのは「太郎」さんです。タイで魚スナックのシェア70%を占めるという大人気商品「TARO」のおかげでしょうか、「タロウ」さんだけは、どこに行ってもまるでタイ人のようにすんなりと通じます。魚のすり身で作られた、まさしく日本のおつまみ風なスナックTARO。どこのスーパーでもコンビニでも必ず売っていますので、是非皆様タイにお越しの際にはお試し下さい。
http://www.tarosnacks.com/
◆会社登録の前には十分確認を
最後に少し真面目な話になります。会社登記の際には、申請はタイ語での会社名となります。申請書類なども同様に日本人の名前をタイ語で表記して登録します。さらに関連子会社などが違う表記で既に登録されていることもありますので、登録前に十分な確認が必要です。
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