п»ї 「想定」と「対策」を別次元で考える『経営コンサルタントの視点』第11回 | ニュース屋台村

「想定」と「対策」を別次元で考える
『経営コンサルタントの視点』第11回

3月 14日 2014年 経済

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中野靖識(なかの・やすし)

株式会社船井総合研究所上席コンサルタント。メーカーから小売業まで幅広いコンサルティングフィールドを持つ。一般消費者向けの商材を扱う企業の現場レベルでの具体的な販売手法の提案を得意とする。

◆最悪の状態を意識して備える

最近の国内では、爆弾低気圧の影響で、東京で40㎝近い大雪が降るなど、記録的な気象現象が発生しています。

昨年も、それに近い状況がありましたが天気予報でも事前に告知され、その直前にはカー用品店などの小売業で、気象に備えるためスタッドレスタイヤやタイヤチェーン、スコップといったグッズにお客様が殺到しました。

企業内で意思決定をしていく方々は、まず最悪の状態を想定した上で、最良のシナリオに乗る努力を続け、事業を良い流れに導く役割を担っています。

降雪に備えて「対策グッズを購入する」「時間調整をして早く帰る準備をする」といった個人的な危険回避行動と同じことを、企業規模で行うことが期待されているのです。

「備える」ことを検討する時、最悪の状態を意識することでリスクが洗い出されますし、最良の状態にするためになすべきことを明確化することができます。

内閣府が2005年(平成17年)8月1日に公示した事業継続ガイドラインには、「企業は、災害や事故で被害を受けても、利害関係者である取引先の重要業務が中断しないこと、中断しても可能な限り短い期間で再開することが望まれている。

この事業継続を追求する計画を『事業継続計画』(BCP=Business Continuity Plan)と呼び、内容としては、バックアップのシステムやオフィスの確保、要員の確保、迅速な安否確認などが典型である。」としています。

「顧客との約束を守る」ということは、約束した業務を遂行することであり、様々なトラブルがあっても速やかに対応することにほかなりません。BCPをきちんと整えておくことも最終的には顧客との約束を守るために必要とお考え下さい。

一方、様々なリスクに備える視点は大切ですが、「想定」を広げるほどコストアップしていくので、どこまでを想定範囲とするのかバランスも大切と言えるでしょう。

その上でも、本来なすべきことを「顧客との約束」としてきちんと明らかにし、それを履行するための備えを徹底することがポイントとなるのです。

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