п»ї スター・マイクロニクス・マニュファクチュアリング(タイランド)日系進出企業紹介『おじゃまします』第4回 | ニュース屋台村

スター・マイクロニクス・マニュファクチュアリング(タイランド)
日系進出企業紹介『おじゃまします』第4回

11月 01日 2013年 経済

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バンコク週報

1976年10月創刊のタイで発行する日本語新聞。在タイビジネスマンに向けてタイの政治・経済・社会ニュースから人物紹介まで多彩なコンテンツを提供している。

電子機器・工作機械・精密部品メーカー「スター精密」(本社・静岡市駿河区)の工作機械事業部タイ子会社「スター・マイクロニクス・マニュファクチュアリング(タイランド)」(SMMT)がこのほど、タイ東北部の玄関口、ナコンラチャシマ(コラート)のスラナリ工業団地で工場開所式を行った。日本本社からはSMMT社長を兼務する杉浦啓之執行役員らが参加した。

同社が工場用地選定で最重視したのは、従業員が確保しやすく、しかも定着率が高いとみられるエリアであること。これがスラナリ工業団地を選んだ最大の理由だ。この決断は功を奏したようで、開所式当日、2万7000平方メートルの工場ではすでに多くの従業員が作業をしていた。

ただ、バンコクと違って、ナコンラチャシマには日系企業がよく利用する人材紹介会社はない。そのため、鈴木且明SMMTマネージングディレクターによれば、「人材募集サイトを利用しました」とのことだ。

◆快適な作業環境で定着率アップへ

募集難、低い定着率は、在タイ日系企業経営者の頭痛の種でもある。スラナリ工業団地は他の東部の工業団地と比較して従業員の取り合いが激しくはないものの、それでも定着率アップが重要課題であることに変わりはない。

「快適な作業環境を提供することです」。鈴木氏は定着率を引き上げるための対策として、まずこの点を挙げる。

工場内はすべてのエリアでエアコンが効いており、熱帯のタイにいることを忘れるほど快適だ。

「当社の高精度な工作機械を製造するためには、常に室内温度を23度に保つ必要があります。寒いと感じる従業員もいるかもしれませんが、結果として大半の従業員にとって快適な作業環境となっているようです」と鈴木氏。「当社の場合、特別な技能を修得することが必要となるため、仕事を覚えた人にはできるだけ長期間勤務してほしいですね」。

このほか、250人収容可能な清潔な従業員食堂のエアコンも24度に設定されている。日替わりメニューは6種類で、ライスのみ無料でおかわりができるという。

◆15年のAEC発足に期待

「同じタイ人でもなぜかスラナリ工業団地周辺は性格が温和で、真面目で、従順なタイ人が多いですね。もちろん、最初から分かっていたことではないですが、これは当社にとって本当に幸運なことでした」と鈴木氏は笑顔をみせる。そのうえで、「タイを拠点にアジア市場へと業務を拡大していきたいと考えています」と話す。

SMMTは2005年3月、サムットプラカン県に販売会社「スターマイクロニクス(タイランド)」を設立。現在は日本あるいは中国工場製の機械の輸入販売が主体となっているが、早期にタイ工場製の機械の比率を高める。

鈴木氏が次のターニングポイントとして期待するのが、15年に予定される東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体(AEC)の発足だ。AECが実現すれば販売面のみならず製造面においても経済共同体としてのメリットを享受でき、近隣諸国への市場拡大に期待がかかる。「当面のターゲットは東南アジアですが、さらにインドへも」と期待を込める。

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