п»ї 細心の注意が必要なビザと労働許可証の手続き 『実録!トラブルシューティング』第44回 | ニュース屋台村

細心の注意が必要なビザと労働許可証の手続き
『実録!トラブルシューティング』第44回

6月 23日 2017年 経済

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東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、これまで本稿でも何度も取り上げていますが、タイで働く日本人にとって切っても切れない最重要書類であるビザとワークパミット(WP=労働許可証)に関するトラブルについてご紹介します。

お客様A社から、自社のスタッフを使ってビザとWPの更新手続きを進めようとしているがうまく手続きが進まない旨のご相談を頂きました。日本人駐在員は社長1人で、タイ人従業員も4人雇用していて、人数的にはWP取得に必要な要件は満たしています。電話でお聞きする限りでは、提出書類にも問題はないようです。いったい何が問題なのでしょうか。更新手続きの期限も迫っているため、実際に提出した書類を面談の際に持ってきて頂きました。

弊社で提出書類の詳細な内容を確認してみると、更新月の直近3カ月分の納税実績に関して、4人に満たない月が1カ月ありました。また、最低賃金に満たない月給で雇用されていたスタッフがいました。こちらは2017年1月の最低賃金の引き上げにより、最低賃金を下回ってしまったものでした。バンコクでは日給300バーツ(月給9千バーツ)から日給310バーツ(月給9300バーツ)となっています。こちらはもちろん意図的ではなくうっかりミスですが、気をつけましょう。

◆違う管轄、一筋縄ではいかない

ビザはそもそもタイに滞在する許可なので警察庁入国管理局の管轄であり、WPは就労許可なので労働省雇用局の管轄となり、二つの役所にまたがっています。そのうえ、手続きの順番が決まっており、それぞれ期限がある作業のため、やり取りは一筋縄ではいきません。

それに加えて、納税の証明は財務省歳入局の管轄。一方、タイ人雇用の証明は、社会保険に入っているかどうかで判断するため労働省社会保険事務局の管轄となっており、煩雑さには事欠きません。自社のスタッフでの対応が難しいようならば、何しろ期限があることなので、早めに専門家に相談するようお勧めします。

さて、無事にビザの延長、WPの更新を終えた後に最もよくある大きな落とし穴は、ビザの再入国(リエントリー)の許可です。せっかく1年分更新したビザでも、こちらのリエントリーを取得することなく出国した場合、ビザの残り期間がいくらあってもビザはその時点で失効してしまいます。ありえないような話ですが、しばしば耳にする話ですのでご注意ください。

◆期日を過ぎると罰金「90日レポート」

そして、気をつけると言えば、皆様のやっかいの種「90日レポート」です。こちらは、タイでの連続滞在期間が90日を超える場合、所轄の入国管理局へ住所などを報告する必要がある、というものですが、ビザとWPを所持していても義務が発生します。

単純に90日毎ですと、計算も簡単なのですが、タイに入国してからの日付計算なので、特に出張が多い方は、普段は出入国が多いためレポートの必要が無く、何かの折にうっかり90日を超えてしまうということがあるようです。「90日レポート」は本人の署名入りの提出書類とパスポートがあれば、代理人での提出も可能です。期日を過ぎると罰金が発生するので、こちらもくれぐれもお気をつけください。

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