п»ї 顧客との約束 その7『経営コンサルタントの視点』第7回 | ニュース屋台村

顧客との約束 その7
『経営コンサルタントの視点』第7回

11月 29日 2013年 経済

LINEで送る
Pocket

中野靖識(なかの・やすし)

株式会社船井総合研究所上席コンサルタント。メーカーから小売業まで幅広いコンサルティングフィールドを持つ。一般消費者向けの商材を扱う企業の現場レベルでの具体的な販売手法の提案を得意とする。

◆量販店に負けない地域家電店の取り組み

コンサルティング現場でクライアントと一緒に顧客との約束を検討していくプロセスを通じて、その企業の勝ち方を再確認していくことができます。

今回は地域家電店の事例をお伝えしましょう。

市場調査会社ジーエフケーマーケティングサービスジャパンのプレスリリースによると、2012年の国内家電小売市場は7兆4800億円になったとされています。少し前の経済産業省の商業動態統計調査(2010年分まで)では8兆円周辺を推移しており、市場規模全体は比較的安定傾向にあった業界といえます。

この中で、販売チャネル(流通経路)はヤマダ電機を筆頭とする量販店が中心ですが、この中で地域家電店は店舗数が減少しているものの、販売シェアは7、8%で安定して推移しています。地域家電店は、店舗を持っていますが、基本的には顧客の自宅を訪問し、商品販売だけではなくサービスサポートを行うという「有店舗訪販モデル」の小売業です。

販売価格という点では大量仕入れを前提としている量販店にはかなわないのですが、高齢者が増加し続ける中、個別の顧客に対し、訪問しながら完全個別対応をしていく地域家電店はその価値を見直されつつあります。

このような状況の中、親しい地域家電店の二世経営者の方々と顧客との約束について話し合う機会を得た時のことです。自分たちは「お客様と深い関係を結び、快適な生活を支える」ビジネスを行っていると考えると、三つの交わすべき約束が見えてきました。
 
・定期訪問や電話応対、困った時の緊急出動を前提とした「途切れない接点」
・安心して任せられる工事技術、身だしなみ、アフターフォローを前提とした「信頼性のある仕事」
・新商品、話題商品や生活改善情報を前提とした「興味ある話題提供」

これらを前提として、量販、通販に対する価格差に対して納得のいく説明ができることが自分たちの業界の勝ち方につながるという意見にまとまりました。

このように顧客との約束の検討を通じて、自分たちが勝つためになすべきことを考えることを通じて、業績を支える取り組みを鮮明にすることができます。

皆さんも是非チャレンジしてみて下さい。

コメント

コメントを残す