山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
特定秘密保護法案の審議が国会で大詰めを迎えている。秘密を増やせば、権力へのチェックが後退する。主権者に対し権力が強くなり、「国民の知る権利」は制約される。分かりきったことなのに、新聞社や放送局が「秘密保護法反対」と声が大にして叫ばないのはなぜだろう。
全国紙や地方紙が参加する日本新聞協会は10月2日、「『特定秘密の保護に関する法律案』に対する意見書」を発表した。法案の問題点を次のように列挙した。①秘密の範囲が恣意(しい)的に広がる②なにが特定秘密なのかチェックする仕組みがない③厳罰を恐れ公務員が取材に応じなくなる④取材が「教唆」「そそのかし」とされる恐れがあり報道の自由を制約しかねない⑤民主主義の根幹である「国民の知る権利」が損なわれる。
記事全文>>