「ニュース屋台村」をお読みいただきありがとうございます。2013年夏に発刊以来、100本近い記事を世に送りだすことができました。これもひとえに読者の方々のご支持、ご支援のおかげだと感謝申し上げます。2013年の記事の最終アップロード日は12月27日とし、2014年は1月10日から記事を順次アップロードしてまいります。来年は屋台の数をさらに増やし、読者の方々に少しでも役立つ情報を一つでも多く提供してまいりたいと存じます。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。読者の皆さまにとって2014年が良い年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。(ニュース屋台村発行人一同)
Archive for: 12月, 2013
日本の価値観では理解できないタイ
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第11回
小澤 仁(おざわ・ひとし)
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住15年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。
現代の日本人にとって、自由・平等そして民主主義は絶対的な価値のようである。これが実現出来ていない社会は未成熟社会であり、この三つの価値を否定すると人間扱いされなくなる。「ファシスト」「右翼」「共産主義」などあらゆる罵詈雑言(ばりぞうごん)が飛ぶ。
確かに個人個人の権利が一定程度保証されるこれらの価値はきわめて居心地が良い。特に知識人やマスコミの方々にとって。しかし、日本人がこうした価値観を持ち得たのは、第2次大戦に敗れたからであり、それまでは天皇制による軍国主義をほとんどの国民が信奉していたのである。
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サービスの向上
『アジアの目線』第2回
池部 亮(いけべ・りょう)
福井県立大学地域経済研究所アジア部門准教授。1992年日本貿易振興機構(ジェトロ)入会。ハノイ、中国・広州などの駐在を経て2012年4月から現職。進出日系企業の動向や中国リスクなどに詳しい。近著に『東アジアの国際分業と「華越経済圏」』(新評論、2013年)。
11月に中国・広東省とベトナム・ハノイを約8カ月ぶりに訪ねた。開発途上にあった以前の広州はほこりっぽさと槌音が常に生活を取り囲んでいたが、最近はすっかり落ち着きを取り戻したようだ。
都市住民は少しばかり成熟したようにさえ見え、地下鉄やオフィスビルのエレベーターなど、なんとなく整然とした都会人のたたずまいをみせていた。レストランの服務員も愛想が良くなったし、注文と配膳のスピードも上がった。サービス業の質が全体的に向上したように感じた。国内消費の不振が背景だろうか、完全な売り手市場だった状況が変わりつつあるのかもしれない。
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新しい農業スタイルが見えてきた!
『教授Hの乾坤一冊』第12回
教授H
大学教授。専門は環境経済学および理論経済学。政府の審議会の委員なども務める。「知性は、セクシーだ」が口癖。趣味は鉄道(車両形式オタク)。
初めから告白してしまうと、これから紹介する本の著者は、私のゼミの卒業生である。このことを書こうかどうか迷った。だが後からフェイスブックなどで関係が知れて、「なーんだ、だから書評に取り上げたのか」などと言われたら面白くない。私は著者を知っていようがいまいが、良い本と思えば『ニュース屋台村』に取り上げる、それまでのことなのだ。
さてその本とは、久松達央著の『キレイゴトぬきの農業論』(新潮新書、2013年)である。著者は、一度は大手繊維メーカーに就職したものの有機農業に一大転身を図るというユニークな経歴の持ち主だ。ずぶの素人から農業を始め、今では立派な主業農家として自立した。茨城県土浦市を拠点に年間50品目以上の有機野菜を栽培し、自らが代表を務める「久松農園」の会員に直販している。ビジネスは大はやり、大成功だ。
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顧客との約束 その8
『経営コンサルタントの視点』第8回
中野靖識(なかの・やすし)
株式会社船井総合研究所上席コンサルタント。メーカーから小売業まで幅広いコンサルティングフィールドを持つ。一般消費者向けの商材を扱う企業の現場レベルでの具体的な販売手法の提案を得意とする。
◆先行き不透明な時こそ「本業領域」への選択と集中を
内閣府の「法人企業景気予測調査」の発表がされましたが、2014年1~3月の「貴社の景気判断」先行きに関して、全産業のうち大企業、中堅企業は「上昇」、中小企業は「下降」という結果が提示されていました。規模が大きい企業以外では現時点の実質的な経済効果は少ない印象であり、消費税増税前の駆け込み時の供給不安や、増税後の経済的ダメージを心配されている方が多いものと思われます。
かつての増税時の傾向を商業統計からグラフ化してみると、全業界で「駆け込み」「反落」が発生していることがイメージしやすくなります。
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原価低減の取り組み(その2)工程別適正人員配置
『ものづくり一徹本舗』第7回
迎洋一郎(むかえ・よういちろう)
1941年生まれ、60年豊田合成入社。95年豊田合成タイランド社長。2000年一栄工業社長。現在中国、タイで工場コンサルタントを務める。自称「ものづくり研究家」。
前回は原価低減への取り組み事例(その1)として、「工程の流れ化」について紹介した。その最大の狙いは、工程の連結によって工程間に最小の標準手持ち量を決め、その量が最大、最小超え現象を捉え、ムダ、ムラ、ムリの顕在化につなげて改善を進めることである。
今回は「工程の流れ化」に基づき、各工程の加工時間(サイクルタイム=C/T)と、その作業手順の標準化について述べたい。そのうえで、何秒で1本(1個)造らなければならないか(タクトタイム=T/T)の関係を図表にして課題を明らかにし、適正人員配置など改善に結びつける手法について説明したい。
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ジャーナリズムの果たすべき役割―日本がもう一度輝くために(6)
『翌檜Xの独白』第6回
翌檜X(あすなろ・えっくす)
企業経営者。銀行勤務歴28年(うち欧米駐在8年)。「命を楽しむ」がモットー。趣味はテニス、音楽鑑賞。
今回は、日本がもう一度輝くために日本のジャーナリズムが果たすべき役割について考えてみたいと思います。
まず、ジャーナリズムという言葉を事典で引いてみました。曰く、「日々に生起する社会的な事件や問題についてその様相と本質を速くまた深く公衆に伝える作業。また、その作業をおこなう表現媒体をさしていう」。
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ワンアジア・ジョイントコンサート
『トラーリのいまどきタイランド』第3回
トラーリ
寅年、北海道生まれ。1998年よりタイ在住。音楽やライブエンターテインメント事業にたずさわる。
バンコク都内「アクサラシアター」で12月8日に開催されたAUN J クラシックオーケストラによるワンアジア・ジョイントコンサート。鳴り止まぬ拍手喝采のなか、その幕を閉じた。
AUN J クラシックオーケストラは、邦楽界で活躍する若手の和楽器奏者が集まり、世界へ向け、シンプルでスタイリッシュに日本文化と和楽器の素晴らしさをアピールする音楽ユニットだ。双子の井上公平・良平で構成される和太鼓・三味線ユニット「AUN」がこのオーケストラのリーダーを務める。彼らは昨年、日本の文化交流使としてタイ、ラオス、ベトナム、カンボジアで全29公演、1万名以上を動員した実績を持つ。
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タワウでしのぶ和僑のたくましさ
『マレーシア紀行』第1回
マレーの猫
エネルギー関連業界で30年以上働いてきたぱっとしないオヤジ。専門は経理、財務。実務経験は長く、会計、税務に関しては専門家と自負。昨年からマレーシアのクアラルンプールに単身赴任。趣味は映画鑑賞、ジャズ、ボサノバ鑑賞、読書。最近は浅田次郎の大ファン、SF小説も
マレーシアでの駐在期間がまだ短く、この国のことをあまり知らない私があれこれ書くのは気が引けるが、今回旅行記を書くことをお許しいただければと思う。
マレーシアの紀行文は、昔にさかのぼると昭和初期に詩人の金子光晴がマレー半島を旅してその時のことをまとめている。またノンフィクション作家の山崎朋子が『サンダカン八番娼館』を書き、その後映画にもなったので、マレーシアのサンダカンという地名は日本人にもなじみがあるのかもしれない。
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二代目が会社の命運を決める―ホンダを世界企業にした河島喜好
『山田厚史の地球は丸くない』第12回
山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
朝日新聞から河島喜好さんの「惜別」を依頼された。ホンダの二代目社長である。ベンチャー企業だったホンダを10年かけてグローバルな自動車会社に育てた人だ。ひらめきと独断、たぐい稀な個性で会社を興した本田宗一郎と正反対。柔らかな人柄、話をよく聞き、辛抱強くことを進める社長だった。ひらめき経営から集団指導へ。絶妙なバトンタッチがホンダを成功に導いた。
◆どんな時に社長は代わるのか
10月31日、85歳で亡くなった。社長を辞めてから30年。現役に河島社長を知る記者はいない。かつて自動車担当だった私にお鉢が回ってきた、というわけだ。
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