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Archive for: 2014

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アベノミクスが日本を壊す
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第36回

12月 26日 2014年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住16年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

第47回衆議院議員選挙の結果、安倍政権は再び与党で公明党と合わせ3分の2を占める圧倒的な勝利を飾った。安倍首相が「アベノミクス解散」と命名した今回の選挙は、過去2年間の経済政策によって景気が上向いたか否かの極めて短絡的な議論に終始し、アベノミクスの持つリスクについて真剣に議論されることはなかった。そして総選挙での圧勝を受けてアベノミクスによる経済政策が継続されることになった。私は、アベノミクス継続によって遂に日本国家の経済破綻(はたん)が現実味を帯びることになったと感じている。

◆金融危機の5つの類型

2008年のリーマン・ショックを契機として出版されたカーメン・ラインハートとケネス・ロゴフの共著『国家は破綻する』(2011年、日経BP社)では、1800年以降に起こった金融危機を5つに類型化している。簡単に説明すると、以下の通りとなる。
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インドネシア 期待したい2015年の新たな展開
『東南アジアの座標軸』第3回

12月 26日 2014年 国際

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宮本昭洋(みやもと・あきひろ)

りそな総合研究所など日本企業3社の顧問。インドネシアのコンサルティングファームの顧問も務め、ジャカルタと日本を行き来。1978年りそな銀行(旧大和銀)入行。87年から4年半、シンガポールに勤務。東南アジア全域の営業を担当。2004年から14年まで、りそなプルダニア銀行(本店ジャカルタ)の社長を務める。

◆与野党のねじれ解消なるか

ジョコ・ウィドド大統領は10月に就任後早々からインドネシアが直面している歳出削減の一環として燃料補助金削減を実施、さらに他省庁に分散している許認可権限を外国企業の投資受け入れ窓口となる投資調整庁への一元化を指示。外国投資の積極的な誘致を図るとともに、インフラ整備へ弾みをつける取り組みなど「仕事優先内閣」にふさわしい動きをしています。

来年から本格化する国会での与野党対決を前に、最大野党ゴルカル党のバクリ党首はバリで開催された党大会で再選されましたが、それに反発する勢力はアグン・ラクソノ氏を担いでジャカルタでの党大会で新たな党首として選出しました。
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フルハウス
日系企業紹介『おじゃまします』第20回

12月 26日 2014年 経済

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バンコク週報

1976年10月創刊のタイで発行する日本語新聞。在タイビジネスマンに向けてタイの政治・経済・社会ニュースから人物紹介まで多彩なコンテンツを提供している。

◆タイ東部に日本式不動産オープン―賃貸から管理まで一貫サービス

「私自身、シラチャにコンドミニアムを所有しているが、管理を任せることのできる不動産会社がなかった。それでは自分でやろうということで、自ら不動産会社を立ち上げることにした」。日系企業に勤務する日本人が集まるタイ東部チョンブリ県シラチャで日本式不動産会社「フルハウス」を運営する谷口譲曜社長は立ち上げ経緯をそう説明する。

同じチョンブリ県にありながら、シラチャは日本人の町、パタヤは欧米人の町という言い方をよくする。実際、シラチャは居住者の95%が日本人という物件も珍しくない。谷口氏のパートナーである渡辺真人副社長は、バンコクではなくシラチャを事業地に選んだ理由を「シラチャは世界でも稀有な日本人街になっているが、住環境で日本人が苦労していると感じた」と説明する。
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解散は「首相のクーデター」? 日本国債格下げの不気味
『山田厚史の地球は丸くない』第36回

12月 19日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

与党圧勝となった解散・選挙に、もう一つの対立構造がある、という見方が盛んに流されている。首相VS財務省。改革派の首相が、守旧派増税勢力をねじ伏せた、という構図だ。後出しジャンケンのように喧伝(けんでん)される対立構造に、長期政権を狙う安倍体制の軸足が見えるようだ。

◆「首相の真意」を伝える翼賛報道

「安倍首相の解散の真の狙いが、消費税先延ばしに対する政府・自民党内の強い反対論を封じ込めることにあったのは明らかです」
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大阪からパキスタン・ビジネスミッションを派遣
『浪速からの国際化』第5回

12月 19日 2014年 経済

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北見 創(きたみ・そう)

ジェトロ大阪本部に勤務。関西企業の海外進出をサポートしている。横浜生まれで、ヘンな関西弁を得意とする。『アジア主要国のビジネス環境比較』『アジア新興国のビジネス環境比較』(ともにジェトロ)などに執筆。

ジェトロ大阪本部は11月22~27日、パキスタン・ビジネスミッションを派遣した。機械・工具関連企業、日用品・衛生用品メーカー、金融機関など8社から8人が参加した。今年6月にイスラム過激派の武装集団がカラチ空港近郊の空港治安部隊の訓練施設を襲撃して以降、日本におけるパキスタンのイメージは悪化していたが、今回はジェトロ・カラチ事務所が警察当局と連携した安全対策を十分に行い、無事に日程を終えた。ミッションでは日系企業の工場見学や現地企業との商談会を実施。商談会では、最も多い企業で25件の商談があり、日本企業の来訪という数少ない機会に、多くのパキスタン企業が駆けつけた。

◆日系メーカーは現調率向上に期待

今回のミッションではカラチとラホールの2都市を訪れ、同地で操業している日系企業6社の工場を見学した。パキスタンに進出している日系製造業は自動車関連が多い。同国の自動車市場においては日本ブランドが強く、年間販売台数約14万台のうち98%のシェアを占めている。さらに1000人あたりの自動車普及台数は12台と、ベトナム、インドと同水準で、これから伸びる市場だ。
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ASEANに広がる「質」「量」両面での労働者問題
(後編)
『ASEANの今を読み解く』第17回

12月 19日 2014年 国際

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助川成也(すけがわ・せいや)

中央大学経済研究所客員研究員。国際貿易投資研究所(ITI)客員研究員。専門は ASEAN経済統合、自由貿易協定(FTA)。2013年10月までタイ駐在。主な著書に、『ASEAN経済共同体と日本』(2013年12月)がある。また、昨年10月末に「ASEAN大市場統合と日本」(文眞堂)を出版した。

タイでの製造業部門における労働力不足問題について、近隣国に依存した解決は難しくなりつつある。タイ政府は労働力の産業間移動を推進することで、この問題を解決に導く必要がある。また、第2エコカー政策などの本格的始動を控え、技術者不足の深刻化、質の低下が懸念される。その状況の中、日本の名前を冠した「泰日工業大学」は「日本型モノづくり」の実践教育を受けた人材を輩出し、タイの産業集積の屋台骨を支える。

◆求められる産業間労働移動促進

タイでの労働力不足を補うべく、ミャンマーを中心とした周辺国の労働人材が正規・非正規など様々な形でタイに入国し、就労している場合も少なくない。その数は200万~300万人とも言われる。
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他者依存性社会
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第35回

12月 12日 2014年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住16年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

第47回衆議院議員選挙の投票が14日に迫っている。大半の読者の方々はこの記事を読まれているころには既に今回の総選挙の結果をお聞きになっていることであろう。「大義なき解散」と言われながらも、政治状況を見るに敏な安倍首相は勝てる選挙を目指してこの時期を選んできた。

残念ながら大半の政治家にとって最も大事なのは国家の運営ではなく、自分の権力基盤の維持強化にある。この点からいって安倍首相は当たり前の事をやっただけである。そして選挙の争点は「過去2年にわたるアベノミクスの成果とその是非について」と見事に矮小(わいしょう)化されてしまったのである。
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受賞ならずとも、走り続けることについて
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第32回

12月 12日 2014年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

コミュニケーション基礎研究会代表。仙台市出身。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長などを経て、株式会社LVP(東京)、トリトングローブ株式会社(仙台)設立。東日本大震災直後から被災者と支援者を結ぶ活動「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。企業や人を活性化するプログラム「心技体アカデミー」主宰としても、人や企業の生きがい、働きがいを提供している。

◆壁を意識する

本稿第27回で期待を寄せた村上春樹氏のノーベル賞受賞は、今年も、ならなかった。2009年のスピーチ「壁と卵」でイスラエルによるパレスチナ政策への批判の影響だろうか。想像の域を出ないが、純粋に文学を評価してほしいと願いつつ、すでに村上春樹そのものが強い影響力を持って世界へ普遍的なメッセージを投じられるから、やはりそこには政治が動いてしまうのだろう。

石破茂・地方創生相が先日、閣議前に安倍晋三首相に、平和賞をめぐり「政治的ですね」と話しかけたことが話題になったが、純粋なサイエンス分野の研究とは違い、文学も平和も人の心の価値観が左右する賞だから、当然、それは人が為(な)す政治的な動きなのだと思う。言うまでもなく。
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吉田調書 記者処分という誤り―朝日新聞、出直し体制の死角
『山田厚史の地球は丸くない』第35回

12月 08日 2014年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

社長交代で出直しへと動き出した朝日新聞だが、「ジャーナリズムとして致命的な失敗を犯した」という自覚が新体制に希薄だ。慰安婦問題ではない。福島第一原発事故に絡む「吉田調書」報道だ。記事を取り消し、記者の処分を行ったことは間違いだった。

「間違えたのは、あの記事だったのでは」と思っている人は少なくないだろう。「所長命令に違反、原発撤退」という誤解を招きかねない見出しが付いていた。だが記事の内容に誤りがなかったことは、その後の調査で明らかになった。それがなぜ「記事を取り消すことが妥当」という第三者委員会(報道と人権員会=PRC)の結論になったのか。この過程ににじむ朝日新聞の組織的な弱さを克服しない限り、再生は本物にならない。
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見守られて育つ、関わって育む
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第31回

12月 05日 2014年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

仙台市出身。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長などを経て、株式会社LVP(東京)、トリトングローブ株式会社(仙台)設立。東日本大震災直後から被災者と支援者を結ぶ活動「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。企業や人を活性化するプログラム「心技体アカデミー」主宰として、人や企業の生きがい、働きがいを提供している。

◆仏壇の前

子どもの頃、私の勉強机は仏壇の目の前にあった。ふすまで仕切られているとはいえ、家の真ん中の通り道に位置する「仏間」である。仏壇の上にあたる欄干には祖父や祖母、戦死した伯父、若くして亡くなった伯母らの遺影がずらりと並び、その遺影のまっすぐなまなざしに見守られて勉強をしてきた。

子どもの頃は、それがいやだった。ふすまではなく、ドアで出入りできる部屋に憧れた。家族のだれの目からも離れ、ましてや先祖の遺影の目が届かない自分の空間。何て素晴らしい場所なんだろうと憧れてみたが、そう思う度、遺影の視線が気になった。今度はバチが当たる、と。だから、机に向かいながら、いつしか、その不気味だった遺影の数々に声をかけ、対話をするようになった。
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