小澤 仁(おざわ・ひとし)
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住16年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。
タイの政治情勢は相も変わらずの膠着(こうちゃく)状態であるが、非常事態宣言が解除されたせいか、または日本のマスコミに過激なシーンが映らなくなったせいか、日本からの来訪客が増加してきている。昨年11月までは、中小企業の海外進出相談や地方自治体などによる視察ツアーがひっきりなしに来ていたが、再び復活の兆しが見える。
それにしても、アベノミクスの成長戦略の目玉として、中小企業の海外進出支援を日本政府や地方自治体が積極的に支援することは、本当に正しい施策なのであろうか? タイで日系企業をお客さまとして商売をする私の身からすれば、中小企業のタイ進出は喜ばしい話であるが、何か割り切れなさが残る。その割り切れなさが何なのかを今回、問うてみたい。
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