玉木林太郎(たまき・りんたろう)
経済協力開発機構(OECD)事務次長。35年余りの公務員生活の後、3度目のパリ暮らしを楽しむ。一万数千枚のクラシックCDに囲まれ、毎夜安ワインを鑑賞するシニア・ワイン・アドバイザー。
◆左手だけのピアニスト
今年は第1次世界大戦開戦100年なので、たくさんの本や写真集がパリの本屋の店先を飾っている。第1次大戦は、欧州にとって想像を絶する災禍であった。
犠牲者の総数が3700万人と言ってもイメージが湧かないが、開戦時に20歳から32歳であったフランスの男性の半数が終戦までに死亡したと聞けば、第1次大戦犠牲者追悼のモニュメントがフランス中至る所に見られるのも当然のことだと納得する。
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