宮本昭洋(みやもと・あきひろ)
りそな総合研究所など日本企業3社の顧問。インドネシアのコンサルティングファームの顧問も務め、ジャカルタと日本を行き来。1978年りそな銀行(旧大和銀)入行。87年から4年半、シンガポールに勤務。東南アジア全域の営業を担当。2004年から14年まで、りそなプルダニア銀行(本店ジャカルタ)の社長を務める。
◆取れるところから取る慣行が横行
インドネシアの2015年度補正予算が2月13日の国会本会議で可決、成立しました。なかでも注目すべきは税収目標です。2014年の経済成長率が5.02%と13年の5.78%からかなり減速しているなかで税収目標を1489兆3千億ルピア(約14兆円)と、当初予算の1380兆ルピアから大幅に引き上げました。その内訳は、所得税679兆4千億ルピア、付加価値税(VAT)・ぜいたく税576兆5千億ルピアなどです。
他方、資源関係からの税外収入は269兆1千ルピアとなり、当初予算の410兆3千ルピアから減額しています。昨年度は税収目標1072兆ルピアに対して徴収率は85%と目標を達成していません。インフラ整備、社会保障拡充のため歳入の80%近くを占める税収増加を目指すジョコ・ウィドド大統領は、所管する財務省に対して税収目標の引き上げとその達成を厳しく指示していますから、税務当局の徴税(税務否認)は一層強化されます。
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