SurroundedByDike(サラウンディッド・バイ・ダイク)
勤務、研修を含め米英滞在17年におよぶ帰国子女ならぬ帰国団塊ど真ん中。銀行定年退職後、外資系法務、広報を経て現在証券会社で英文広報、社員の英語研修を手伝う。休日はせめて足腰だけはと、ジム通いと丹沢、奥多摩の低山登山を心掛ける。
中部地方のとある輪中(わじゅう)に生を受けたものとして、私はどんな川でも目に入ると、それが豪雨の際に突然豹変(ひょうへん)し、たけり狂う姿を想像するトラウマがある。普段、水量貧弱な川に対しては余計にそうである。それはまるで怒り狂う竜を想起させる。濁流が流木を伴いながら川の中央を盛り上がって流れるさまは、50数年を経たいまも忘れることができない。
実は1959年(昭和34年)、私は11歳の時に8月の盆前の集中豪雨、そして9月の伊勢湾台風と、同じ年に2回も水害に遭っている。輪中の地形特性からいったん堤防が決壊すると、川の水面と同じになるまで浸水する。そしてこちらの堤防が決壊すると反対側に住む人々は安堵する。「天国と地獄」の再現である。
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