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Archive for: 9月, 2015

「オープンダイアローグ」の可能性
人と社会と精神疾患をつなぐ場(上)
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第57回

9月 18日 2015年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

コミュニケーション基礎研究会代表。就労移行支援事業所シャローム所沢施設長。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長など。東日本大震災直後から「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。

◆精神疾患を治癒

私は今、統合失調症をはじめとする精神疾患者を、薬に頼らず「対話」で治癒する「オープンダイアローグ」の手法に惹(ひ)かれている。毎日、精神疾患者の方との面談や相談、支援活動で対面し話をし、自分にとっては新しいその人の持つそれぞれの世界、苦悩、家族の心配に触れて、医者でもなくカウンセラーでもない私が何をすべきかを考えるとき、この対話手法は、魔法のような響きで、その人たちが治癒されるのかもしれない、という希望に誘う。

実際、数人の精神疾患者の家族に「オープンダイアローグ」を説明しているが、これまで精神科医の診断でも薬の処方でもカウンセラーの指導でも、好転しなかったことで希望を失った家族には、対話で解決できるとは、即座に信じられないかもしれない。
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タイはテロリスト天国
『アセアン複眼』第10回

9月 18日 2015年 国際

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佐藤剛己(さとう・つよき)

企業買収や提携時の相手先デュー・デリジェンス、深掘りのビジネス情報、政治リスク分析などを提供するHummingbird Advisories 代表。シンガポールと東京を拠点に日本、アセアン、オセアニアをカバーする。新聞記者9年、米調査系コンサルティング会社で11年働いた後、起業。グローバルの同業者50か国400社・個人が会員の米国Intellenet日本代表。公認不正検査士。

バンコク中心部で8月に起きた爆弾テロ事件で、偽造パスポートの問題が改めて浮かび上がった。パスポートの盗難や偽造・変造について日本人の間で聞くのは「ちょっとしたすきにホテルで盗まれた」「ゴルフをしていたらコインロッカーで……」など、当人のその後の苦労はともかく、あまり深刻さを感じない文脈での話が多い。だが、タイでは入国管理の緩さと併せ、テロを助長する原因になっている。

◆イスラエル人を狙うイスラム勢力

バンコク爆弾テロ事件で8月27日に最初に逮捕された容疑者の男は、トルコ国籍を示す偽造パスポートを所持していた。また、警察が逮捕の際に押し入ったバンコク東部ノンチョク地区のアパートには約100冊の偽造パスポートがあったという。
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タイ人観光客を山梨県に誘致しよう―「小澤塾」塾生の提言
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第54回

9月 11日 2015年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住17年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

私の勤務するバンコック銀行日系企業部では主に日本の地方銀行から約20人の出向者を受け入れている。出向者と言ってもほぼ全員が海外勤務は初めてであり、かつバンコック銀行のことも全く知らない。このため出向後5カ月程度は教育期間として、幾つかのテーマについて勉強してもらっている。これまで「ニュース屋台村」で何度か取り上げた「小澤塾」での銀行員としての基礎知識の修得は最重要テーマの一つである。加えて、出向者全員には「地方再生」や「日本再生」をテーマに、日本や各地方について海外視点で客観的に見直してもらうとともに、分析力や企画力の醸成も行っている。

この「屋台村」でも今後、塾生の独創的な地方創生案などを随時紹介していこうと考えている。初めてとなる今回は、山梨中央銀行から出向してきている眞田栄太郎さん(2005年入行、山梨県富士吉田市出身)の作成したリポート「タイ人観光客を山梨県に誘致しよう」をご紹介する。
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善意が裏目に出た通関のトラブル
『実録!トラブルシューティング』第18回

9月 11日 2015年 経済

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東洋ビジネスサービス

1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。

今回は、弊社の顧客であるH社と税関当局とのトラブルについて紹介します。多国間をまたいだ取引から発生した税関での修正申告、罰金とその対応についてです。

実際の商品の動きである物流と、商流(商的流通)が異なっていたことがそもそものトラブルの始まりです。タイの顧客から商品を受注したH社はタイ以外のA国に発注し、商品は生産者のいるB国からタイへ直送されました。これに対して商流は、B国から日本を含め数か国を経由してA国からタイへという流れになっていました。
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アスリートの進化の背後にあるもの
『時事英語―ご存知でしたか?世界ではこんなことが話題』第17回

9月 11日 2015年 文化

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SurroundedByDike(サラウンディッド・バイ・ダイク)

勤務、研修を含め米英滞在17年におよぶ帰国子女ならぬ帰国団塊ど真ん中。銀行定年退職後、外資系法務、広報を経て現在証券会社で英文広報、社員の英語研修を手伝う。休日はせめて足腰だけはと、ジム通いと丹沢、奥多摩の低山登山を心掛ける。

今回は、アスリートの進化に焦点をあてた記事を紹介したい。近代スポーツの多くを生み出した英国のメディアならではの記事である。

話を分かりやすくするためとはいえ、野球のピッチャーの打撃をずぶの素人と見なすあたりの無理さ加減は別としても、なかなか興味深い内容である。また、同時掲載のゴルフに絞った同じ趣旨の記事では、これまた話の勢いで12歳の子供でも今のゴルフボール、今のクラブを使えば200ヤード飛ばすことができると述べる箇所では、絶対にそれだけ飛ばせない自分としては密かに傷ついている。
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「アスリート・ファースト」って何だ!
『山田厚史の地球は丸くない』第53回

9月 04日 2015年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

新国立競技場を巡るドタバタの中で、盛んに飛び交うようになった言葉が「アスリート・ファースト」。平たく言えば「競技者のことを一番に」ということだろう。

建設費1550億円。決めた関係閣僚会議の見直しの方針に「アスリート・ファースト」があった。安倍首相も「アスリート・ファーストで」と念を押した。「だったら、今まではなんだったんだよ」と突っ込みを入れたくなる。アスリート・ファーストではなかった、と言っているのと同じだ。そこで思い出したシーンがある。
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「ケアメディア」の確立を目指して
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第56回

9月 04日 2015年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

コミュニケーション基礎研究会代表。就労移行支援事業所シャローム所沢施設長。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長など。東日本大震災直後から「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。

◆報道とボランティア

今の世の中に必要なメディアを構築することを目的に、私は現在「ケアメディア」の概念化確立を目指している。大学院という研究の場と、就労移行支援事業所という実践の場に加えて、多くの見識のある人らと触れ合い、話し合い、教えを請いながら、実践として有効な「ケアメディア」を提示したいと思っている。その前提となるこれまでの話を整理したい。ケアメディアの言葉は、実は日本では検討されていない領域である。文言として登場しているのは、小玉美意子・元武蔵野大教授の著書『メジャー・ケア・シェアのメディア・コミュニケーション論』 であり、この中で小玉元教授はこう指摘する。

「メディアの役割は、ジャーナリズム論でよくいわれるような『社会的影響力の大きな出来事』『異常な出来事』を取りあげて、社会に警鐘を鳴らすことだけなのだろうか。いや、時として、人を温かく包み、励ましたり癒やしたりすることも必要であるにもかかわらず、これまでの典型的なジャーナリストたちは、それらを社会的に必要なメディアの役割として認識することが少なかったのではないか」
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インドネシア内閣改造は外国投資家に吉か凶か
『東南アジアの座標軸』第13回

9月 04日 2015年 国際

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宮本昭洋(みやもと・あきひろ)

りそな総合研究所など日本企業3社の顧問。インドネシアのコンサルティングファームの顧問も務め、ジャカルタと日本を行き来。1978年りそな銀行(旧大和銀)入行。87年から4年半、シンガポールに勤務。東南アジア全域の営業を担当。2004年から14年まで、りそなプルダニア銀行(本店ジャカルタ)の社長を務める。

◆リザル新海事担当調整相の政権批判は出来レース?

事前の予想通り、8月12日にジョコ・ウィドド大統領は内閣改造を実施しました。知日派のラフマット・ゴーベル貿易大臣など6人の閣僚を交代させています。国内の経済低迷に悩む政権は、改造人事の目玉として経済担当調整大臣にマクロ・ミクロの経済運営に明るい元中央銀行総裁のダルミン・ナスティオン氏を、また、ワヒド政権時代に経済担当調整大臣を務めた経済学者のリザル・ラムリ氏を海事担当調整大臣に起用しています。

さらに、閣内の重要ポストである内閣官房長官には与党・闘争民主党のメガワティ党首の強い後ろ盾もあり、内閣と与党の緊密な連絡調整役を担う使命を帯びたプラモノ・アヌン氏が入閣しています。この改造人事により景気減速に歯止めをかけるべく閣内一致して人気に陰りの見えた政権の浮揚を狙いたいところですが、早くも閣内で内部衝突が起こっています。
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