小澤 仁(おざわ・ひとし)
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住17年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。
今年も恒例の4月の日本出張を終え、タイに戻ってきた。今回の出張では、提携銀行各行の計らいにより幾つかの地方公共団体、地方大学ならびに地方銀行本体を訪問させて頂き、「地方創生」の現場の方々から直接お話を伺ってきた。今回はこれらの方々との面談を通して、「地方創生」を行う上で今後何が必要なのかを考えてみたい。
◆経済活性化の「当事者」になれない地方自治体
まず地方創生に対して、一番真剣に考えていかなくてはならない主体は「地方自治体」であろう。昨年8月に発刊された増田寛也氏の著書『地方消滅』(中央公論新社)では、「2040年までに全国の49.8%にあたる896の自治体が消滅するであろう」と書かれている。
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