小澤 仁(おざわ・ひとし)
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住18年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。
鉱山の事業所から排出された廃水に含まれていたカドニウムが人体に深刻な影響を与えた公害病の一つに「イタイイタイ病」がある。富山県の神通川下流域で発生した公害である。1910年代から70年代にかけて多発した。病名の由来は患者が「痛い、痛い」と泣き叫んだことからだと言われている。
多くの人に被害をもたらした日本のイタイイタイ病に対し、タイにも違った形の「イタイイタイ病」が存在する。タイの駐在員やその家族など、タイに住んだことがある人の多くがタイを離れるにあたってタイに「居たい、居たい」と強く思うことから、こうした名前が付けられた。日本のイタイイタイ病の患者の方達から見れば不謹慎なテーマかもしれないが、今回はこのタイの「イタイイタイ病」について考察することをお許しいただきたい。
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