山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
師走が近づくと税制論議が盛んになる。年末の予算編成に向けて、まず歳入を確定する。その前提となるのが税制だ。
自民党税制調査会は12月上旬に税制大綱をまとめる。税は国家権力の象徴、官僚ではなく政治家が主導権を握っている。基本方針は与党が決め、これに沿って政府原案が作られ、国会に送られる。中国にも似た「党高政低」だ。
税制には専門知識が欠かせない。仕組みが複雑なだけではない。業界や納税者の利害損得が絡み、今の制度に至るまで様々な約束事が折り重なっている。制度の沿革が頭に入っていないとさばくことはできない。
記事全文>>