引地達也(ひきち・たつや)
コミュニケーション基礎研究会代表。就労移行支援事業所シャローム所沢施設長。毎日新聞記者、ドイツ留学後、共同通信社記者、外信部、ソウル特派員など。退社後、経営コンサルタント、外務省の公益法人理事兼事務局長など。東日本大震災直後から「小さな避難所と集落をまわるボランティア」を展開。
◆半数以上が赤信号
企業や公共機関・団体などの従業員数に応じて障害者雇用を義務付ける割合である法定雇用率を遵守(じゅんしゅ)していない企業は、半数以上(2015年6月現在、以下厚生労働省調べ)の52.8%に上ることをどう考えればよいのだろうか。半数以上が守らないのはやはり赤信号をみんなで渡っている状態とも言える。
基準が高すぎるという法律・規定が悪いのか、利益優先の企業が悪いのか、世界情勢に左右される景気等の経済環境が悪いのか、障がい者への理解が進まない社会環境が悪いのか。各分野に責任は見いだせるのだが、まずは障がい者の雇用率の適用は半世紀以上も歴史があるのに、達成しているのは「半分」という事実を正しく受け止めたい。
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