山口行治(やまぐち・ゆきはる)
在野のデータサイエンティスト。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。職業としては認知されていない40年前から、データサイエンスに従事する。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。
第9回 恵比寿映像祭「マルチプルな未来」(東京都・恵比寿、2月10~26日)に行ってみた。自動掃除機ルンバだけが出演者という実験的な映画もあったが、最大の収穫は「ポピー:アフガン・ヘロインをたどって」の作者、ロバート・ノースとアントワネット・デ・ヨングの話を直接聞けたことだった。2012年の作品だが全く色あせていない。20年間の活動を映像作品としてまとめたもので、同時代性の厚みが際立っている。場所や生活環境は全く異なっているけれども、作者の生きた時間と私たちの生きた時間が重なっている。そして映像作品に残されたマルチプルな世界での時間も。残念ながらアフガニスタンの人々には未来はなく、今日を生きることすら危ういけれども。
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