水野誠一(みずの・せいいち)
株式会社IMA代表取締役。ソシアルプロデューサー。慶応義塾大学経済学部卒業。西武百貨店社長、慶応義塾大学総合政策学部特別招聘教授を経て1995年参議院議員、同年、(株)インスティテュート・オブ・マーケティング・アーキテクチュア(略称:IMA)設立、代表取締役就任。ほかにバルス、オリコン、エクスコムグローバル、UNIなどの社外取締役を務める。また、日本デザイン機構会長、一般社団法人日本文化デザインフォーラム理事長としての活動を通し日本のデザイン界への啓蒙を進める一方で一般社団法人Think the Earth理事長として広義の環境問題と取り組んでいる。『否常識のススメ』(ライフデザインブックス)など著書多数。
拙稿第3回をアップロードしてから、連続した海外出張や多忙にかまけて、2カ月以上経過してしまった。その間の米大統領トランプの「否常識」と「非常識」が入り乱れる過激な「大統領令」の乱発や、医療保険制度改革(オバマケア)代替法案の採決見送りという稚拙な米国の議会運営を見ていると、こちらまでが、なんとも判断不能状態になってしまったことも、筆が止まった理由のひとつだった。つまり、彼が目指そうとしていることは、既存の「ワシントンシステム」(在米の民間シンクタンクや大学の研究者が過去あるいは将来、米政権内で日米外交に直接関与したり影響力を行使したりして有効的に機能すること)を排除しようとする「否常識」の実現なのだが、やり方が「非常識」で稚拙なため、大統領令がことごとく司法や議会によって反故(ほご)にされてきた。最近、娘の大統領補佐官イバンカの夫ジャレッド・クシュナーによって失脚寸前まで追い込まれている最側近の首席戦略官スティーブン・バノンにも大きな責任がある。 記事全文>>