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日本の銀行はなぜキャッシュレスに出遅れたか
電子マネーがデビットカードを凌駕する唯一の国
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第8回

3月 06日 2019年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

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オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

 

日本はもともと、資金決済のオンライン化がいち早く進んだ国だった。1973年に全国銀行の内国為替システムが稼働を開始し、手形・小切手決済の多くがオンライン決済に移行した。家計の決済も、公共料金の自動引き落としや給与の振り込みが広く利用されてきた。

だが、日々の買い物には現金決済が多く残った。現金の取り扱いは、店舗だけでなく銀行にも多額のハンドリングコストがかかる。にもかかわらず、銀行によるキャッシュレスはなかなか進まなかった。最近のキャッシュレスも非銀行系企業が主導する。なぜこうなったのだろうか。

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