山口行治(やまぐち・ゆきはる)
株式会社エルデータサイエンス代表取締役。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。
『ヨーロッパ諸学の危機と超越論的現象学』(E.フッサール、1954年、翻訳木田元、中央公論社、1974年)の第一部「ヨーロッパ的人間の根本的な生活危機の表現としての学問の危機」、なんという鮮烈なタイトルだろうか。ナチスドイツに迫害されたユダヤ人哲学者は、ヨーロッパ的人間の生活危機を見抜いていた。21世紀において、生活危機はAI(人工知能)により加速され、人間中心主義は破綻(はたん)した。おそらく、現在の大学教授の99%はこの本を読んでいない。現在の大学教授が「根本的な生活危機の表現」を行えば、失業する。失業者、移民、難民は「ヨーロッパ的人間の根本的な生活危機の表現」であるし、第2次世界大戦の軍事は非人間的で、21世紀の軍事は究極のAI兵器へと向かっている。 記事全文>>