引地達也(ひきち・たつや)
特別支援が必要な方の学びの場、シャローム大学校学長、一般財団法人福祉教育支援協会専務理事・上席研究員(就労移行支援事業所シャロームネットワーク統括・ケアメディア推進プロジェクト代表)。コミュニケーション基礎研究会代表。精神科系ポータルサイト「サイキュレ」編集委員。一般社団法人日本不動産仲裁機構上席研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。
◆引きこもりはきっかけ
川崎市のJRと小田急の登戸駅近くでの殺傷事件と農林水産省元事務次官が息子を殺害した事件は、「ひきこもり」をキーワードとして、一方では加害者(川崎の事件)の一方では被害者(元事務次官の事件)の、どちらもこの世にいない人の「異常な」心理性を語る中で、多くの人にとって導きやすい理解に押し込めようとして、結論を急ぐパターンをまた繰り返している。
ちょうど内閣府が中高年の引きこもりの推計が61万人と発表したことも手伝って、今回の事件に関係する2人がこのカテゴリーに入るのではないか、との分類により、議論は引きこもりに流れてしまったが、再度立ち止まって考えてみたい。
やはり引きこもりとは、何かをきっかけにして存する状態であり、その何かを考えることが今の私たちに求められているのだと思う。 記事全文>>