引地達也(ひきち・たつや)
特別支援が必要な方の学びの場、シャローム大学校学長、一般財団法人福祉教育支援協会専務理事・上席研究員(就労移行支援事業所シャロームネットワーク統括・ケアメディア推進プロジェクト代表)。コミュニケーション基礎研究会代表。精神科系ポータルサイト「サイキュレ」編集委員。一般社団法人日本不動産仲裁機構上席研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。
◆会社はボランティアではない
障がい者を一般企業の「障がい者雇用」での採用を目指して支援している者として、企業とコミュニケーションを交わしていると、その発せられたコトバから企業の文化が見えてくると考えている。障がい者雇用という新しい流れに、新しい価値観で対応しているのか、「面倒くさい」と臨むのか、何気ない言葉でもその会社の文化を物語ってしまうから面白い。
知的障がいをはじめ複数の障がいがあり長年就職活動続けながらも採用にこぎつけないある40代の男性が、先日やっとのことで都内の中規模製造業の企業の内定を得た。私も面接に同行し、先方の工場長は「障がい者雇用は初めてだから」としつつ挑戦してみることになった。その男性と私は歓喜しつつも、男性の障がい特性として新しい環境への不安や、説明が分からなくなると何もできなくなったりするから、初日を何とか乗り切り、特性を知ってもらいながら定着させていこうと考え、就業初日に向けて何度も「分からなかったら、聞く」などのアドバイスを繰り返した。 記事全文>>