山口行治(やまぐち・ゆきはる)
株式会社エルデータサイエンス代表取締役。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。
生きものは場所を記憶する。自分自身や親きょうだいを認識できなくても、生きやすい場所や死すべき場所を探して記憶する。ウイルスは感染した細胞で大量の複製物を作り、細胞外にばらまいて、どこか別の細胞に感染するチャンスをうかがっている。感染する細胞は同じ個体の中かもしれないし、同じ種かもしれないし、媒介する種かもしれない。感染すべき細胞の記憶がウイルスの生活環となる。ウイルスは、細胞の中の遺伝子に潜む場合もある。その細胞が生殖細胞であれば、ウイルスは宿主の一部として遺伝情報となる 記事全文>>