古川弘介(ふるかわ・こうすけ)
海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。◆はじめに
新型コロナ禍で、失業や収入減少に苦しむ人々が増えている。その一方で、金融緩和による株の上昇で富裕層はいっそう豊かになっている。格差は新型コロナ禍前からあったが、より深刻化していると思われる。格差拡大は世界的な問題であるが、その傾向が止まらず、許容しがたい水準に達すれば社会が不安定化する。そうした懸念を反映して、現在の状況を、格差が拡大して戦争に向かった1930年代に酷似するといった見方がある。米中の対立激化がもたらす緊張の高まりは、そうした懸念に拍車をかける。
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