引地達也(ひきち・たつや)
特別支援が必要な方の学びの場、みんなの大学校学長、博士(新聞学)。精神科系ポータルサイト「サイキュレ」編集委員。一般財団法人発達支援研究所客員研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。◆5年前の手紙
4月から新しく北海道から岡山までの障がいのある人の就労を支援する就労移行支援事業所や自立した暮らしを支援する自立訓練事業所の計17か所と関わり合うことになり、あらためて就労移行という仕事について考えさせられている。
そんな時、過去の書類を整理していたら5年前に就職した当事者からいただいた手紙に目にとまった。精神障がいと高次機能障がいによる身体障がいのあるこの当事者は私が施設長をしていた就労移行を経て、大手企業の障がい者雇用で就職し、周囲は大いに喜んで意気揚々と就職したものの、その1か月後には心が折れてしまう状態になった。
その時に私に電話をかけてきて心配事の一つひとつを話しはしていたが、それでも不安な心が収まらなかったらしく、文書にして私宛に送ってきた手紙である。そこには障がい者が働くことへの支援の要点が示されている。
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