小澤 仁(おざわ・ひとし)
バンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住23年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。手前みその話ではあるが、私は2014年7月4日付の「ニュース屋台村」の拙稿「優れたマネジャーの条件とは何か?」で、グーグルのプロジェクト・オキシジェンについて取り上げた。当時、日本ではグーグルの実像については全く知らされておらず、グーグルで検索してもこのプロジェクト・オキシジェンについては、わずかにニューヨーク・タイムズの英文記事が掲載されているのみであった。
世界の最先端企業に変貌(へんぼう)しつつあったグーグルが調査・研究の末にたどりついた「優れたマネジャーの条件」は日本の人事管理システムとは真逆のやり方を提起している。米国とタイでの勤務経験を持つ私は、日本のコンプライアンス社会の異様さに大きな疑問を持っていた。そのためグーグルの人事制度と日本のコンプライアンス社会を対比させて「ニュース屋台村」の記事を書き上げた。しかし当時の私には「なぜグーグルがこのようなプロジェクトを立ち上げたのか?」、その背景や理由を知る術(すべ)がなかった。残念ながらグーグルに対する当時の私の理解もそこまでであった。
ところが最近になり、GAFAなど米国最先端企業の経営手法を紹介する本が多く刊行されるようになり、マネジャーの重要性が再認識されるようになってきた。
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