山本謙三(やまもと・けんぞう)
オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。経済学の学説に「ライフサイクル仮説」がある。一生涯を通してみると、現役の間は所得の一部を貯蓄に回し、引退後は貯蓄を取り崩して消費に充てる、というものである。貯蓄は将来の消費のため、というわけだ。
きわめて自然な考え方にみえるが、実際には、日本の高齢層は引退後も貯蓄を増やし続けている。あくまで「世帯平均」の話だが、どうしてこうなるのか。
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