山本謙三(やまもと・けんぞう)
オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。
地方銀行の貸出金利が、特異な低下を示している。
新規の短期貸し出しと長期貸し出しの加重平均金利である貸出約定平均金利(総合)は、都市銀行と同水準まで低下した。日本銀行のデータ検索サイトで遡及(そきゅう)可能な1994年以降、初めてのことだ。このうち長期貸し出しの金利は、昨年秋以来、ほとんどの月で都銀を下回っている。
都地銀の経費率や貸出先の信用リスクの差を踏まえれば、新規の貸出約定平均金利(以下、貸出金利)が肩を並べるのは、尋常でない。なぜ、こうした事態が起きているのか。その意味するところは、何か。 記事全文>>