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Archive for: 9月, 2022

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安倍亡き後も安倍路線-国葬後の岸田政権
『山田厚史の地球は丸くない』第222回

9月 30日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

故安倍晋三氏の国葬が9月27日に執り行われた。隠然たる力を退任後も誇示していた「安倍支配」は、騒然たる賛否を巻き起こした国葬で終わった。最大派閥である安倍派も空中分解がささやかれている。そうはいっても安倍政治は、まだしばらく岸田政権を縛りそうだ。専守防衛を蹴散らす防衛力の抜本的強化、新型小型炉開発を含む原発再稼働、インフレ放置の金融緩和継続。元首相が先鞭(せんべん)を付けた暴政は、岸田政権によって実行へと移される。 記事全文>>

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データの適切な善用が「機会不平等」をなくしていく
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第244回

9月 26日 2022年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆データは個人そのもの

ジャーナリストの斎藤貴男氏の著作『機会不平等』(文春文庫、2004年)は教育、派遣社員、労働組合、高齢者福祉、経済政策や優生学などを題材に日本社会での不平等に斬り込む名著であり、その成り立ちを考える時に私たちの社会の在り方や個人の思想性が突き付けられる。この不平等を解消するために、私は情報格差をなくすコミュニケーション環境の在り方を考えて、私なりに実践してきたつもりだが、ここにきて大きなテーマを突き付けられている。それは「データ化された個人情報」の取り扱いだ。

コミュニケーションがバーチャルになるほど、その世界で個人とは、すなわちデータになっていく。そのデータは個人そのものであるとの認識がコミュニケーションは成り立たせるわけで、その新しい関係性における倫理観や保護など、議論すべき点は多い。

このコミュニケーション自体は誰もが幸福になるための道筋でもあるから、早急に社会で共有し議論を深めなければならないだろう。 記事全文>>

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日本の半導体産業について考えてみる
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第225回

9月 23日 2022年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

バンコック銀行日系企業部には、新たに採用した行員向けに6カ月の研修コースがある。この期間、銀行商品や貸し出しの基本などを宿題回答形式で、英語で講義を行う。この講義と並行して、日本人新入行員として分析力、企画力などを磨くため、レポートの提出を義務づけている。今回は、佐藤勇輔(ゆうすけ)さんのレポートをご紹介したい

1章 はじめに

新型コロナウイルスの感染拡大とウクライナ戦争の影響によって、世界的な半導体不足が起こり、半導体への関心が高まっている。日本半導体メーカーは1990年代前半まで、世界のトップシェアを誇っていたが、現在では他国に大きく後れを取ってしまっている。そこで、今回は世界の半導体メーカーの業績の推移などについて調査し、その結果を踏まえて、日本メーカーが今後、何をすべきか考察する。 記事全文>>

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連帯する島々の新文明
『週末農夫の剰余所与論』第34回

9月 21日 2022年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

「越後妻有 大地の芸術祭2022」に行ってきた。初回の2000年から、毎回参加して、今回が7回目になる。世界最大規模の面積で開催される芸術祭で、自家用車で、山間地の農道を走る場合もある。観光客としては、信濃川流域の河岸段丘(かがんだんきゅう)が美しいけれども、冬場は豪雪地帯になる。廃校や廃屋(はいおく)をアートの現場にしてしまう、大地の芸術祭の中でも、最も「大地」に近い作品を作ってきた古郡弘さんの追悼展だった。新潟県越後妻有(えちごつまり)の大地に、20年以上の月日の流れを感じた。 記事全文>>

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NPO法人が乗り出すLGBTQへの就労支援に向かう中で
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第243回

9月 19日 2022年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆「普通」への期待

認定NPO法人「ReBit」(リビット、東京)がLGBTQなど性的少数者の就労サポートを全国に広げる活動に乗り出した、と先日一斉に報じられた。全国の自治体への啓もうや福祉サービス事業を使っての支援活動を行う予定という。障がい者への支援の枠組みにある就労系のサービスの中で、一般就労に向けた最前線である就労移行支援は企業とのコミュニケーションを密にしながら、就労させた上で定着に向けた活動も行われているが、障がい特性を理解してもらう取り組みの中で、性的少数者に関する支援は難しい。

私自身も、「多様性を認める社会」と各地で連呼される中で、仕事の現場やそれぞれの感性はまだ保守的なのが現実で、そのギャップに当事者はうつ病などの「二次障害」に陥る事実も目の当たりにしてきた。今回の取り組みが起爆剤となって、当事者の現実に接した社会に「ケア」の感覚広がっていき、やがてそれが「普通」になることを期待したい。 記事全文>>

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入国は羽田、それとも横田?-安倍「国葬」 ハリス米副大統領の来日
『山田厚史の地球は丸くない』第221回

9月 16日 2022年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

今月27日の安倍元首相の「国葬」に、アメリカからはカマラ・ハリス副大統領がやって来る。就任して初の来日となるハリス氏の行動予定は在日米大使館が調整しているが、関係者が注目するのは「入国は、また横田基地から?」という点だ。

5月に来日したバイデン大統領が、横田基地から入国したことは「ニュース屋台村」の拙稿第213回「バイデンは親会社の社長? 首脳会談から見える日米同盟の現実」(5月27日付)で書いた。「国家を代表する者が勝手口から出入りするのは無礼」という空気は徐々に広がり、民族派の論客から「ハリス氏がどこから日本に降り立つか注目している」という声が上がっている。

右翼団体「一水会」の木村三浩代表はYouTubeのデモクラシータイムス(9月11日配信)で「日本の玄関は羽田です。台湾を訪問した米国のペロシ下院議長は韓国から入国した際、横田基地から入った。ハリス副大統領がまた横田を使うのか、注目している」と語った。 記事全文>>

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サントリーと「社会教育施設」をインクルーシブな場とするために
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第242回

9月 14日 2022年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆指定管理業者の知恵を融合

みんなの大学校が進める、2022年度の文部科学省「地域連携による障害者の生涯学習機会の拡大促進」事業による委託研究の一つに「地域と指定管理業者による障害者の生涯学習の場づくりの研究事業」がある。これは全国各地域にあるイベントホールや美術館、博物館、公民館などのいわゆる「社会教育施設」を、障がいのある人にとっても「障害」なく訪問し、学び、活動できる場にするための研究と実践、広報を行っていく内容である。

場所が公共施設だから当然、自治体職員や教育委員会関係者の理解と行動が必要となってくるのだが、実際に現場で考え、行動しているのは自治体の職員だけではない。自治体から指定管理者として施設を運営している民間企業の力が結構、世の中では動いている。

これら民間企業が新しい公民館や図書館のコミュニティー機能を考え、実践している取り組みは静かに地域に浸透しているのだ。その知恵を「障がい者の生涯学習」に向けて融合・発展させていこうというのがこの事業だ。 記事全文>>

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地域差
『週末農夫の剰余所与論』第33回

9月 12日 2022年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。元ファイザーグローバルR&Dシニアディレクター。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

山間地のマグレー農園は、梅、栗、柿とハーブ園で、サルどころかシカやクマが訪問する。今年は梅雨が長引いたような夏で、雑草が背丈ほどまで伸びてしまった。草刈りだけでも10時間ほどかかる。草刈りをすれば、春はワラビやウドなど、秋はチタケなどの採取も楽しめる。かつては養蚕(ようさん)の桑畑だったようだ。この山間地では、60歳でも若者だ。筆者もこの土地を借り始めたころは若者だった。人間がいない山間地では、時間がゆっくりと流れる。都会の時間は、近視眼的な競争によって速(はや)められているのだろう。 記事全文>>

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結局何もしなかった?日本の新型コロナウイルス対策
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第224回

9月 09日 2022年 社会

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住24年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

日本の新聞やテレビなどのマスコミの情報を見ていると、日本政府は「コロナ患者の全数把握の撤廃」「コロナ感染者の隔離期間の短縮化」などの施策を展開しようとしている。マスコミも「オミクロン株は重症化率が低い」とか「日本のコロナ対策は欧米諸国に比して遅れている」として、政府による規制緩和に前のめりのように私には感じられる。しかし果たして、これは事実を反映しているのであろうか? オミクロン変異株の登場以来、日本の一日当たりの死者数は300人を超えるなど過去最多となっている。今回はバンコック銀行日系企業部の元木健太郎さんが執筆した「コロナ感染症」に関する論文をご紹介したい。世界各国のコロナ対策を分析し、日本との相違点を明らかにしている。日本の新型コロナ対策の有用性についてぜひ、皆さまでご判断いただきたい。 記事全文>>

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全国2位は東京都境界未定地域 地域と付加価値(その1、全3回)-地方圏をリードする製造業、民間研究機関
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第59回

9月 07日 2022年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

前回、地方創生の実現には、地元産業が大都市圏並みの所得を稼ぎ出すことが必須と述べた(第58回「早くも東京に戻り始めた人口-『テレワーク移住などで東京一極集中に是正の兆し』説は何だったのか」(8月10日付)参照)。一つの成功例を一般化して地方全体に当てはめるのでなく、各地域のどの特性にどのような競争力がありうるかを見極めることが大切だ。

以下、総務省「経済センサス―活動調査」の地域、産業別データを用いて、各地の付加価値生産の現状を確認してみよう。

付加価値とは、企業や事業所の売り上げから原材料費や減価償却を差し引いたものをいい、その中から従業員に給与が支払われたのち、残りが利益となる。いわゆる「労働生産性」とは、付加価値額を事業従事者数で割った値(「従事者一人当たり付加価値額」)である。

なお、「経済センサス―活動調査」は5年ごとに実施され、最新は2021年6月実施の調査となる。速報値はすでに公表されているが、詳細データは未公表のため、本稿では2016年の調査結果を用いる。 記事全文>>

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