山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
日銀は、長期金利の許容幅を1±0・25%だったのを1±0・5%に拡大することを決めた。新聞各紙は一面トップで「日銀が金融政策を修正」(朝日新聞)などと大きく報じたが、一般の人には、なんのことかさっぱりわからないのではないか。
この決定は、日本が「アベノミクス」と呼ばれた異形の経済運営に見切りをつけたことを意味する。
強いて言えば、覚醒剤患者が「ヤクをやめたい」と言い出したようなもので、このまま進めば身を引き裂く苦難が待ち構えている。「いつかはやめなければならなかったこと」(政府高官)ではあるが、再生への苦痛に政治家や人々は耐えられるだろうか。来る年は、その決意が問われるだろう。 記事全文>>