引地達也(ひきち・たつや)
特別支援が必要な方の学びの場、みんなの大学校学長、博士(新聞学)。精神科系ポータルサイト「サイキュレ」編集委員。一般財団法人発達支援研究所客員研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。
◆地域で、一緒に
障がい者の生涯学習の推進に向けて千葉県の公民館職員らを対象とした「障害者の学び」研修会で、「地域で学ぶ 一緒に学ぶ 障害者と学ぶ」と題した講演を行った。講演前には文部科学省から行政説明として障がい者の生涯学習に取り組む政策や全国における実施の現状や事例、今後の方針などが伝えられたから、私はその背景を前提にして、現場で働く方々により実践的な内容を具体的に話す機会となった。
文科省による障がい者の生涯学習の委託研究を当初から行ってきた者として、成功や失敗を繰り返しながら、有効だと思える手法をお伝えするのが私の役割。各地の公民館で、その地域でのインクルーシブな学びは成立するという自信を得てほしいとの切実な思いで臨んだが、講演をして思うのは、インクルーシブな場づくりや内容の検討、具体的な言葉の選び方など、やることは多岐にわたるのだが、それは「やろう」という道筋の中で自然発生的に備わってくる知見であるとつくづく思う。だから、まず「やろう」から始まるのだ。 記事全文>>