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Archive for: 5月, 2023

「物価」について考える(その2)
『視点を磨き、視野を広げる』第67回

5月 31日 2023年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

◆はじめに

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は、社会に大きなダメージを与えて経済活動を停滞させた。パンデミックとの3年にわたる戦いの後、WHO(世界保健機関)は今年5月に「緊急事態宣言」の終了を発表した。経済学者の渡辺努(東京大学大学院教授)は、パンデミックは「後遺症」を残し、それが現在の世界インフレの主原因であるという説を唱えている。(⇨①パンデミックの「3つの後遺症」)

WHOが「緊急事態宣言」を出したのは、2020年1月であった。同年3月には、パンデミックの影響による消費減少が景気後退を招くことを懸念したFRB(米連邦準備制度理事会=米国の中央銀行に相当)は、緊急利下げを行ってゼロ金利政策を導入した。金融を緩和して市中に大量の資金を供給することで景気悪化を防ぐことが目的であった。 記事全文>>

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社会福祉士に「社会」を見る目、仕事を楽しくする取り組み
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第255回

5月 29日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆関わるのが楽しい

今年度から埼玉福祉保育医療製菓調理専門学校(さいたま市大宮区)の社会福祉士養成講座で「社会理論と社会システム」を講義することになった。社会福祉士の国家試験の合格を目標に、実務経験や4年制大学の卒業等が入学資格となっているため、学生は明確に福祉分野で働くためのスキルアップのためにその門を叩いている。

社会福祉士の受験資格を得るという目的の中で、私が担当する科目は社会学の基礎などを学ぶもので、この学校に限らず、社会福祉士を目指す方にとっては退屈ですこぶる評判が悪い科目のようだ。しかし、今回私が引き受けたのは、この科目、社会学を学ぶことで仕事の幅が広がり、支援が面白い。 記事全文>>

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G7広島は「世界分断サミット」
戦争に備え 中国を敵視
『山田厚史の地球は丸くない』第238回

5月 26日 2023年 国際

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

広島で開かれた先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、「戦争に備えよ」という空気を醸し出した。ウクライナのゼレンスキー大統領は飛び入り参加で「反転攻勢」を訴え、G7が対ロシア戦にどう協力するが大きなテーマとなった。中国に対しても台湾海峡、経済安全保障、核開発を巡り危険視する発言が相次いだ。広島会合は、G7諸国とロシア・中国が対峙(たいじ)する「新冷戦」に世界が入ったかのような「分断サミット」となった。 記事全文>>

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先回りした機械学習
『みんなで機械学習』第21回

5月 24日 2023年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆制作ノート

英国の経済学者エルンスト・シューマッハー(1911~1977年)の「スモール イズ ビューティフル」における中間技術の提案を、「みんなの機械学習」として実現するため、「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」という拙稿を連載している。前稿からは、「機械学習の学習」というテーマで、機械学習技術を解析用データセットの自動作成という観点から整理して、フェノラーニング®の技術的な解説を行う予定だった。しかし、ニュース屋台村の読者の多くは、プログラミングや統計計算の技術的な解説は期待していない。技術的な解説よりも、在野の実務家として、中小企業の経済的な問題意識からの提案や、場合によっては、哲学的な未来志向での雑感のほうが役に立つのではないかと再考して、本稿から軌道修正を行う。「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」は途中の画像以降なので、制作ノートに相当する前半部分は、飛ばし読みしてください。

「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」のゴールは、結論を論理的に構築することではなく、生活世界において、データの世界との共存・共生・共進化に希望を実感することにある。近代的なモノの価値を問う経済から、コト(サービスなど)の意味を重要視する経済への移行を時代背景として、近未来のデータサイエンス テクノロジー アンド アート(データの世界)が、人類の文明論的な変革をもたらす夢物語を、少なくともディストピアとはしない、複数の探索路を切り開こうとしている。物語のゴールにおいては、意味が認知される以前の「データ」そのものが、みんなの機械学習によって、「言語」とは別の、文明の道具になるだろう。 記事全文>>

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SDDGsの取り組みに「誰ひとり取り残さない」ための方策
『ジャーナリスティックなやさしい未来』第254回

5月 22日 2023年 社会

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引地達也(ひきち・たつや)

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◆障がいに焦点

国連サミット加盟国の全会一致で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の17項目は目標達成の期日である2030年まで残り7年となった。この目標には「誰ひとり取り残さない」とのキャッチフレーズが掲げられ、目標の中では「障がい者」を対象とした記述も少なくない。17の目標については小中学校で学ぶ機会は増えているようだが、社会での学びは十分とは言えないかもしれない。

働く人にとっても企業の向き合い方で、その認識は大きく変わる。個人的に意識していたとしても、具体的な取り組みには結びつける社会での「器」もない。誰もが自国だけでは生きられない中で、私たちが担う役割として、17の目標を位置づけたいとの考えの下、みんなの大学校でもその「学び」を社会で共有する計画を立てた。 記事全文>>

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少子化対策の財源は高齢者の負担を中心に
出生率に及ぼす効果に配慮を
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第66回

5月 17日 2023年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。

岸田政権が、異次元の少子化対策を掲げている。4月には「こども未来戦略会議」が発足し、財源に関する検討も始まった。

岸田文雄首相は、同会議で「世代や立場を超えた国民一人ひとりの理解と協力を欠くことはできない」と述べている。与党内には、社会保険料を財源に充てる案もあるという。

しかし、負担に関する世代間のバランスの議論なしに、少子化対策を論じることはできない。負担の在り方は、出生率の変動に直結するからだ。 記事全文>>

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機械学習の学習
『みんなで機械学習』第20回

5月 15日 2023年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆制作ノート

英国の経済学者エルンスト・シューマッハー(1911~1977年)の「スモール イズ ビューティフル」における中間技術の提案を、「みんなの機械学習」として実現するため、「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」という拙稿を連載している。前稿までは、「データにとっての技術と自然」というテーマで、データサイエンス(データの科学技術)よりもひとびとの生活に近い、技術やアートとしてのデータの世界を探訪した。前稿をふり返りながら、本稿への足掛かりを探して、「制作ノート」としている。本稿は途中の画像以降なので、制作ノートは、飛ばし読みしてください。

「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」のゴールは、結論を論理的に構築することではなく、生活世界において、希望を実感することにある。古典的なモノの価値を問う経済から、コト(サービスなど)の意味を重要視する経済への移行を時代背景として、近未来のデータサイエンス テクノロジー アンド アート(データの世界)が、人類の文明論的な変革をもたらす夢物語を、少なくともディストピアとはしない、複数の探索路を探そうとしている。物語のゴールにおいては、意味が認知される以前の「データ」そのものが、みんなの機械学習によって、「言語」とは別の、文明の道具になるだろう。 記事全文>>

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金属資源の現状と資源メジャーと比較した日本の金属鉱山事業
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第241回

5月 12日 2023年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住25年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

人類の歴史を振り返ると、民族や国家の繁栄には鉱物資源が深く結び付いていることがわかる。紀元前17世紀から13世紀にかけてアナトリア(現在のトルコ)、メソポタミアで覇権を築いたヒッタイト王国。ヒッタイト人は製鉄技術を有し鉄器、特に鉄製車輪を擁した騎馬戦車を使って近隣諸国を制覇したのである。日本も決して蚊帳(かや)の外ではなかった。13世紀に中国などを旅行して「東方見聞録」を記したマルコポーロ。彼はその著書の中で日本のことを「黄金の国ジパング」と称した。当時金銀を豊富に採掘していた日本は西洋人にとって夢の国であったのであろう。その夢を追いかけて、コロンブスが豊富な銀鉱山を有する新大陸アメリカを発見したのも歴史の奇遇である。さらに日本では16世紀になると戦国時代を迎えるが、佐渡金山を持つ上杉謙信と甲斐金山を持つ武田信玄が覇権を競い合ったことからも鉱物資源の重要性がわかる。

ところが現在の日本にはほとんど鉱山が残っていない。文明開化・富国強兵の明治時代に開発された国内鉱山は経済合理性の下でその多くが閉鎖され、それとともに日本人の多くは鉱物資源の重要性を忘れつつあるように感じられる。欧米諸国は資源メジャーを通して鉱物資源の権益を保有。一方、中国は国策として資源保有国に技術・資金援助を行い、権益の拡大を図っている。今回は、こうした資源をめぐる世界各国の動きをデータを通して解説していきたい。 記事全文>>

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金融裏面史を疾走した男
国重惇史 破茶滅茶な生涯
『山田厚史の地球は丸くない』第237回

5月 05日 2023年 経済

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

40年余の付き合いがある国重惇史(くにしげ・あつし)が帰らぬ人になってひと月になる。「イトマン事件」を告発し、住友銀行を闇の勢力から護(まも)った金融界のヒーロー、と言えばかっこいいが、たびたびの「不倫」で出世や地位を棒に振った破茶滅茶な男だった。銀行員に収まりきれない熱血漢で、内部告発や大蔵省への工作など危ない橋を渡り、銀行を離れた後もネット証券、ネット銀行など先端分野で道を開いた。スキャンダルで家族から見放され、「進行性核上性麻痺(まひ)」という完治の見込みがない難病を患いながら、好きな女性に守られて4月4日、あの世に旅立った。 記事全文>>

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