引地達也(ひきち・たつや)
特別支援が必要な方の学びの場、みんなの大学校学長、博士(新聞学)。精神科系ポータルサイト「サイキュレ」編集委員。一般財団法人発達支援研究所客員研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。
◆制度が奪う側面も
特別支援学校高等部では3年生になると卒業後の「進路」を考え、進路指導や担当の教員とともに実習先を探し、実習し、「次の場所」を選び、進路を決定しなければならない。一般就労が難しい場合は就労移行支援という福祉サービスを使って一定の期間、就労の準備を行う場合もあるし、一般就労まで時間をかけてゆっくりやりたい、または一般就労を目指さなくても、目の前の仕事をコツコツすることで日々の生活を安定させたいのであれば就労継続支援B型事業所などの選択肢もある。
そして「就労」よりも日々の生きがいを感じながら過ごすには生活介護事業となるし、外出が困難な重度障がいの方には自宅への訪問での支援になるが、どうしてもつながる社会が狭くなってしまいがちだから、活動の幅は広がらない。結果的に「できない」ことをできるようにする可能性をそれらの支援の制度が奪っている面もある。 記事全文>>