山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
岸田文雄首相は6月13日の記者会見で「解散」を問われ「会期末の状況を見極めて判断する」と述べ、ふくみ笑いを残して立ち去った。さわさわと立ち始めていた解散風は一気に勢いを増したが、首相は3日後「解散は考えていない」と、風をかき消した。解散の権限は「首相にある」というのが今の憲法解釈だが、首相の一存で、いつでも議会を解散できる、というのは日本ぐらいである。国民に選ばれた衆議院議員全員を解職し、選挙をやり直す。議会制民主主義の根幹に関わる重い判断を、なんの条件も付けずに与えているのは問題ではないか。 記事全文>>