山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
セクハラの隠蔽(いんぺい)、候補生による上官射殺……。防衛政策大転換の掛け声をよそに組織体質に起因する危うさが露呈する自衛隊。そんな中で幹部候補生の教育を担う防衛大学校で、現役教官が「危機に瀕(ひん)する防衛大学校の教育」と題する論考を6月末、SNSに投稿した。
「いくら予算と兵器・装備が増えても、それを扱う人間が質量ともに揃わなければ防衛力の強化は絵にかいた餅に終わるでしょう。(中略)にもかかわらず、幹部自衛官になるべき若者を養成する中枢である防大では、受験者の激減、学生の質の低下、パワハラ、セクハラ、賭博、保険金詐欺、補助金詐取、いじめやストレスからの自傷行為など、憂慮すべき事態が立て続けに起きる異常な事態が続いています」。文中に示されている事実や出来事を読むと、自衛隊は大丈夫なのか、とため息が出る。 記事全文>>