山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
「岸田政権、もう2年だよ」「えっ、もうそんなになったのか」
この手の会話をよく耳にする。それほど印象の薄い政権だが、やっていることは、中国を敵視する「安保政策大転換」や「原発推進へのUターン」といった未来への針路を危うくする政策だ。希薄な存在感と強面(こわもて)政策。このギャップをどう考えたらいいのか。
岸田文雄は「気配のない政治家」である。意識して「気配と消す」というほど周到とは思えない。存在感が希薄、首相という輪郭が見えないまま、透明人間のように状況に溶け込む。「気配を感じさせない政治家」と言った方がいいかもしれない。 記事全文>>