山本謙三(やまもと・けんぞう)
オフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。
市場では、日本銀行のマイナス金利政策の解除が近付いているとの見方が多い。前年比2%を超える物価が続いている以上、マイナス0.1%の短期金利の解除は自然だろう。
日銀が金融の正常化に着手した後に直面するのは、バランスシートの問題だ。バランスシート上の日銀資産は、前回量的緩和の解除を行った2006年3月に比べ、規模が膨らんだだけなく、残存期間が顕著に伸びている。 記事全文>>