山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
かつての学友が50数年ぶりに集まった。それぞれ二十歳(ハタチ)の青春は大学紛争のさなかだった。爪痕(つめあと)をキャンパスや自らの内心に残し、就職して企業戦士となった者、バブルに踊り不良債権の処理にまみれた銀行員、大学に留まり医局改革で孤立した医学生……。道はそれぞれ違ったが、みな10年ほど前に現役を終え、いまや後期高齢者である。「終活」に話題が及ぶと、1人が言った。「あの世に行く前に、今の世の中に、落とし前をつけたい」
吉野源三郎の『君たちはどう生きるのか』は、若者に「生きる意味」を正面から問いかける著作として話題になった。終活を意識する高齢者にとって「君たちはどう生きたか」が人生の意味を考える問いかけだろう。 記事全文>>