山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
「ニュース屋台村」執筆陣の1人、元日銀理事の山本謙三さんが『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書)を出版された。新書と思えない重い中身である。日銀が黒田東彦(はるひこ)総裁の下で、いかに異常な金融政策に手を染めたか。その結果、日本経済は身動きが取れない極めて危うい状況になっていることを淡々と述べている。豊富なデータとこれまでの経緯を紹介し、日銀がしでかしたことを「内部批判者」の視点で書き綴った渾身(こんしん)の一冊である。
「金融政策は難しくて、素人にはわからない」と目を背けがちだが、無関心でいるうちにとんでもない所まで来てしまった。「私たちはこれからどんなツケを払うのか」と本の帯にある。さあ、どんなツケが回ってくるのか。まずは読んで、考えていただきたい。 記事全文>>