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Archive for: 10月, 2024

石破解散と自民党の「内戦」
「安倍政治」は終わるか?
『山田厚史の地球は丸くない』第274回

10月 25日 2024年 政治

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

10月27日の総選挙を前に、自民党の劣勢を示す調査結果が相次いでいる。石破政権は勝敗ラインを「自民・公明で過半数維持」としたが、メディアは「自公過半数維持は微妙」と伝える。

報道各社は10月の中旬と下旬に、有権者に聞き取り調査を行い、「自民党のジリ貧」があらわになった。21日発表された朝日新聞の調査では、石破政権の支持率は33%、不支持は39%。前週の調査では支持46%・不支持36%だった。1週間で支持は12ポイント減り、不支持が支持を上回った。

NHKの調査でも直近の支持率は41%、前週より3ポイント減。不支持は3ポイント上がり35%となった。この傾向は共同、毎日などの調査でも同じで、「総選挙が迫るにつれ自民党支持が減っている。珍しい事態だ」と関係者は分析する。 記事全文>>

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超石器文明
『みんなで機械学習』第49回

10月 21日 2024年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆南極周辺の新文明

ユーラシア大陸の文明が戦争を繰り返し、栄枯盛衰した後に、英国スコットランドで産業革命が始まった。温暖化する地球では、文明は北に向かうのだろうか。「ニュース屋台村」でも、南極(※過去記事1)や北極(※過去記事2)について考えたことはあるけれども、南極周辺にAI(人工知能)哲学の新文明が生まれるかもしれないという物語を、身近に感じるようになったのは、ごく最近のことだ。北極海の氷が解けて、北極海を通る通信網が現実のものとなった。地球を一周する、大陸間送電網としては、政治に翻弄(ほんろう)される北極よりも、南極周辺のほうが可能性があるかもしれない。しかも、未来のデータ文明にとっては、南米インカの文明から学ぶことが多い。マヤ・アステカ・ナスカ・インカという古代アメリカ文明は、近代文明の終着地であるアメリカ合衆国と隣接していても、共存することも、交流することも無かった。 記事全文>>

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セター首相解任とタクシン傀儡政権の成立
タイ密室政治の魑魅魍魎
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第277回

10月 18日 2024年 国際

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住26年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

タイ憲法裁判所は8月14日、セター首相の即時解任を命じる判決を下した。多くの人にとっては「寝耳に水」の判決であった。かくいう私もその1人である。「ニュース屋台村」第271回(7月26日付)で、私はセターの首相続投を予想した。読者には申し訳ないが、大外れであった。その後、タクシン元首相の次女であるペートンターン・シナワットが37歳の若さで首相に就任した。

セター首相解任からほぼ2か月。タイの政治経済はペートンターン首相の下でどのようになっていくのであろうか? この2か月に起こったことを読み解きながら、今後のタイの政治経済の行く末を考えてみたい。 記事全文>>

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インディアンはウソをつかない
『みんなで機械学習』第48回

10月 14日 2024年 社会

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山口行治(やまぐち・ゆきはる)

o株式会社ふぇの代表取締役。独自に考案した機械学習法、フェノラーニング®のビジネス展開を模索している。元ファイザージャパン・臨床開発部門バイオメトリクス部長、Pfizer Global R&D, Clinical Technologies, Director。ダイセル化学工業株式会社、呉羽化学工業株式会社の研究開発部門で勤務。ロンドン大学St.George’s Hospital Medical SchoolでPh.D取得(薬理学)。東京大学教養学部基礎科学科卒業。中学時代から西洋哲学と現代美術にはまり、テニス部の活動を楽しんだ。冒険的なエッジを好むけれども、居心地の良いニッチの発見もそれなりに得意とする。趣味は農作業。日本科学技術ジャーナリスト会議会員。

◆小休止と大テーマ

データ論として取り組んだ「スモール ランダムパターンズ アー ビューティフル」に、宿題が残った。その宿題では、より具体的に、農業分野における近未来のAI(人工知能)技術のありかた、特に個体差の機械学習(フェノラーニング®)の展開について考えている。生成AIの大規模言語モデル(LLM)の問題点として、固有名詞を「責任」をもって理解できないということは、何度か指摘してきた。前稿では、その問題の根源に、現代論理学の限界があることに気がついた(例えば、※参考:『まったくゼロからの論理学』〈野矢茂樹、岩波書店、2020年〉)。論理学という、高度に抽象的な言語活動において、具体的な事象から、抽象化するプロセスが明確に規定されていない。「集合」という、具体的であり、抽象的でもある数学的な概念に依拠して、この問題を回避している。「集合」の集合が必ずしも集合になるとは限らないので、「集合」の部分集合が集合となる集合だけを「集合」と定義する。数学的には厳密な定義であっても、論理学としては、何を意味しているのかよくわからないだろう。もっと具体的に、「すべての人」という論理式で、人にソクラテスを代入するときに、名前のない人の存在を無視して、名前のある個人の有限集合で考えることが、標準的な論理学の教科書的解釈だ。名寄せの作業が困難であること(同一の人物に多数の名前が対応するため)、災害時の行方不明者の人数を正確に把握することが困難であることなどを全く無視するのだから、論理的な議論は、少なくともデータの世界では役に立たない。 記事全文>>

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検察の独善と居直り
袴田さん無罪と捏造捜査
『山田厚史の地球は丸くない』第273回

10月 11日 2024年 社会

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山田厚史(やまだ・あつし)

ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。

「4人刺殺の犯人」という汚名に抗して58年間、無実を訴えてきた死刑囚・袴田巌さんが10月8日、晴れて無罪の判決を勝ち取った。

姉の秀子さんら支援者の活動がなかったら、死刑が執行されていたかもしれない。「無罪判決」にホッと胸をなで下ろす気分だが、この日発表された検察トップ・畝本直美(うねもと・なおみ)検事総長の「ビデオメッセージ」にがく然とした。

検察は、判決を批判し、自らの非を認めていない。冤罪(えんざい)を生んだ司法のゆがみに目を向けず、検察組織に潜む欠陥と向き合おうという素振りさえ見えない。この頑迷な独善が続く限り、日本から冤罪事件は無くならない、と強く思った。 記事全文>>

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なぜ日銀の国債購入は財政ファイナンス酷似といえるのか
国の負債超過700兆円を日銀が支える構図に
『山本謙三の金融経済イニシアティブ』第78回

10月 07日 2024年 経済

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山本謙三(やまもと・けんぞう)

oオフィス金融経済イニシアティブ代表。前NTTデータ経営研究所取締役会長、元日本銀行理事。日本銀行では、金融政策、金融市場などを担当したのち、2008年から4年間、金融システム、決済の担当理事として、リーマン・ショック、欧州債務危機、東日本大震災への対応に当たる。著書に『異次元緩和の罪と罰』(講談社現代新書2753、2024年9月)。

日本銀行は、異次元緩和の11年間に、国債保有額を約465兆円増やした。この間の新規国債発行額が約518兆円だったので、財政赤字の約9割を日銀が面倒みた計算である。

この国債購入をめぐっては、「財政ファイナンスとほぼ同等」とする見方と、「あくまで物価目標の達成のために行うものであり、財政ファイナンスには当たらない」とする日銀の見解が対立してきた。

日銀が、財政ファイナンスを意図して国債を購入したわけでないのは明らかだ。しかし、あまりにも巨額の購入を続けたために、経済機能的にみて財政ファイナンスとほぼ同等となったことも間違いない。これを国と日銀のバランスシートから確認してみよう。 記事全文>>

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世界最先端の半導体会社NVIDIAの技術の強み(その2)
『バンカーの目のつけどころ 気のつけどころ』第276回

10月 04日 2024年 経済

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小澤 仁(おざわ・ひとし)

oバンコック銀行執行副頭取。1977年東海銀行入行。2003年より現職。米国在住10年。バンコク在住26年。趣味:クラシック歌唱、サックス・フルート演奏。

        NVIDIAの企業分析

ここからは、NVIDIAがAIに使われるGPU市場において高いシェアを獲得し、また成長市場にも関わらずその地位を維持し続けている要因について解説する。NVIDIAのGPUの技術的な特徴や製品開発の歴史など、できる限り深い次元まで明らかにしたい。 記事全文>>

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半導体産業の復活はあるのか
その2 日本半導体凋落の原因を雇用システムに見る
『視点を磨き、視野を広げる』第78回

10月 02日 2024年 経済

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古川弘介(ふるかわ・こうすけ)

海外勤務が長く、日本を外から眺めることが多かった。帰国後、日本の社会をより深く知りたいと思い読書会を続けている。最近常勤の仕事から離れ、オープン・カレッジに通い始めた。

◆はじめに

前稿では、日本の半導体産業凋落(ちょうらく)の原因を考えた。原因に関しては諸説あるが、湯之上隆(*注1)は、日本の半導体メーカーの「高品質病」に凋落の根本原因を見る。

1980年代に日本のDRAM(*注2)は汎用(はんよう)コンピューター向けの高品質(長寿命)製品を作ることに成功して、半導体売上の世界シェアトップに立った。その後、市場環境の変化(汎用コンピューターからパソコンへの主役交代)があり、低価格で大量供給が可能な製品が求められた。しかし日本メーカーは高品質を止められず(過剰品質)、市場ニーズに合致した製品を作り出せなかった。凋落の直接的原因は、市場変化への不適応であるが、湯之上はさらに不適応の原因を探り、「高品質病」を見いだすのである 記事全文>>

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