山田厚史(やまだ・あつし)
ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。「ニュース屋台村」編集主幹。
アメリカでドナルド・トランプ氏(78)が大統領に返り咲いた。就任式が行われた20日には、25余りの大統領令が出され、バイデン政権の下で進められてきた政策が、根底から覆された。お祭り騒ぎのような政権交代が進む中で、気がかりなことがある。「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」を掲げる政権と時代の最先端を走るTEC産業が一体化し、「デジタル産業複合体」が形成されつつあることだ。
温室効果ガス抑制を目指すパリ協定からの離脱、WHO(世界保健機関)からの脱退、カナダとメキシコに25%の関税をかけ、メキシコ湾を「アメリカ湾」に名称を変える。米国議会に乱入して有罪になった全員の恩赦など、世界やアメリカで通用してきた「常識」を根底からひっくり返した。 記事全文>>