引地達也(ひきち・たつや)
特別支援が必要な方の学びの場「みんなの大学校」学長、博士(新聞学)。フェリス女学院大学准教授、文部科学省障害者生涯学習支援アドバイザー、一般財団法人発達支援研究所客員研究員、法定外見晴台学園大学客員教授。
◆ダンヒル・サウンド
前回第280回で、米国でのトランプ大統領就任とともに始まった強権の発動に伴い、寛容と多様性の輝きを帯びていた米国の美徳が失われているような寂しさを1960~70年代の「サンシャイン・ポップ」といわれる音楽を紹介しながら、考えてみた。今回は1曲にしぼって、その感慨にふけってみたい。
取り上げるのは、ママス&パパスの「夢のカリフォルニア」(California Dreamin)である。ダンヒル・レコードから1965年に発表され、全米第4位のヒットとなった曲は、日本のTBSがドラマの曲として採用したこともある。
またこのレコードレーベルから発表された曲はヒットを立て続けに飛ばし、「ダンヒル・サウンド」と呼ばれ、一世を風靡(ふうび)した。
ママス&パパスの活動は65~68年の約3年でしかなかったが、この曲は今の時代にひっそりと輝きを増しているようにも思う。 記事全文>>