東洋ビジネスサービス
1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。
今回は、タイに進出した日系企業で、残念ながらよくあるご心配の一つである、会計の不正に関するトラブルについてご紹介します。弊社にご相談があった、ローカルスタッフによる横領事案です。
【事例】
タイ法人設立後、歴史の長い日系企業A社からのご相談です。会計業務については,タイの地元会計事務所とベテランのタイ人経理スタッフにある程度任せていました。日本人MD(マネージングダイレクター)のB氏は、業務改善の一環として、会計業務を「見える化」し、今後の事業展開を練り直すべく、日系会計事務所に会計業務を移管することにしました。
そこで、移管作業に着手するにあたって日系会計事務所が既存の会計書類をチェックしたところ、社内の領収書と税務署の納付データが一致しなかったり、支払いがされていなかったりしていることが判明しました。さらに詳細を調査していくと、領収書偽造による着服、サイン偽造による小切手搾取が行われていたことがわかりました。
【対応】
不正をしていたタイ人経理スタッフから供述書および返済の意思確認をとり、解雇した上で、弁護士とともに警察へ届け出ました。
日本人経営者は、年次決算の確認だけではなく、月次で銀行のステートメントや税務処理状況をチェックできるよう、社内体制を整えることが重要です。また、タイ人スタッフがタイ語でやりとりをするだけでなく、ご自身でも気軽に相談ができる会計事務所などの選定が肝要となります。実際のトラブル事案あるいは今後の体制づくりなど具体的な相談は、ぜひ弊社にお問い合わせください。
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