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1977年よりタイを拠点として、日本の政府機関の後方支援に携わる。現在は民間企業への支援も展開、日本とタイの懸け橋として両国の発展に貢献することを使命としている。
タイで、新型コロナウイルスの感染拡大対策による渡航制限で母国に戻れなくなった外国人旅行客が、ビザ延長手続きのためにイミグレーションオフィス(入国管理局)を大挙して訪れ、その混雑ぶりがメディアで話題となりました。今回は、タイ政府の新型コロナウイルスの感染拡大対策に伴うビザ延長手続き、「90日レポート」の申請期限の延長についてご紹介します。
【タイ政府の発表内容】
4月23日付の内務省の公示で、2020年3月26日から7月31日までの期間にビザの期限が到来する場合、7月31日まで自動的に滞在期間が延長となり、併せてタイでの滞在場所を90日ごとに申請報告する、いわゆる90日レポートについても、7月31日まで報告期間を延長するという発表がありました。
入国管理局の見解では、今回の自動延長措置の対象は、次回の出国が本帰国(一時帰国ではないという意味)する在タイ外国人としており、継続してタイに滞在する人については、本来のビザ有効期間内に更新手続きを行うものとしています。
【懸念される点】
入国管理局の運用が明確に定まっていないため、本帰国の予定のない人が期日までに延長手続きを行わず、自動延長を待った場合には、以下のリスクが想定されます。
①今回の措置は本帰国予定者を対象としているため、所定期間内での出国を要請される、もしくは、ビザ期限切れ(オーバーステイ)扱いと判断される可能性も考えられる
②延長期間明けの出入国管理局での手続きの集中・混雑
③延長手続きをエージェントなどに外部委託することの制限
以上のようなリスクに加えて、本延長措置の対象には、労働局の管轄となる労働許可(ワークパミット)は含まれていません。労働許可の期限延長には、本来のビザ有効期間内にビザの延長手続きを行う必要があります。また、インターネット経由での90日レポートの申請手続きは、本来の有効期限を超えるとできなくなるため、こちらも有効期限内の申請をお勧めします。
【まとめ】
今回の延長措置の背景には、外国人による入国管理事務所の混雑に伴う感染拡大を防止するという意図があったとも考えられます。申請窓口では不特定多数の申請者との接触リスクがあるため、90日レポートのインターネット申請や、延長期間終了後に想定される大混雑を回避できるよう、余裕を持って期限内に申請されることをお勧めします。具体的なご相談がありましたら、是非弊社にお問い合わせください。
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