п»ї カネパッケージ(タイランド)日系企業紹介『おじゃまします』第13回 | ニュース屋台村

カネパッケージ(タイランド)
日系企業紹介『おじゃまします』第13回

6月 20日 2014年 経済

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バンコク週報

1976年10月創刊のタイで発行する日本語新聞。在タイビジネスマンに向けてタイの政治・経済・社会ニュースから人物紹介まで多彩なコンテンツを提供している。

日本、タイ、フィリピン、ベトナム、インドネシアで事業を展開する梱包材・緩衝材の設計製造メーカー「カネパッケージ」(埼玉県入間市)がタイに進出したのは2006年のことだ。当初は他国と同様、タイでも梱包材・緩衝材を製造販売していた。しかし、入居していたアユタヤ県の工業団地が11年の大洪水で水没。印刷機や製函機など生産設備をすべて失ってしまった。

保険で被災した設備を入れ替えるとの選択肢はあったが、いったん他社に渡った商権を再び取り戻すことができるという保証はない。そのためビジネス形態の大転換を余儀なくされた。

◆洪水でビジネス形態転換

カネパッケージ(タイランド)が選んだのは、生産設備なしに梱包材・緩衝材を供給するシステム。つまり、生産工程はすべてローカルスタッフのサプライヤーに委託することだった。さらに、リスク管理のためアユタヤ県の中でも洪水被害にあわなかった場所に工場を移転した。

ただ、ローカルスタッフにすべてをまかせるわけではない。梱包材のデザインは自社の日本人デザイナーが担当する。「このデザイン技術・ノウハウこそがわが社の最大の売りもの」とカネパッケージ(タイランド)の長谷川氏は力を込める。

梱包材の仕様を決める権限が日本本社にある在タイ日系企業も多い。このケースでは、カネパッケージ日本本社で設計を行いサンプルを作り顧客企業の承認を受ける。そしてゴーサインが出た後、図面とサンプルがタイに送付。それをタイで量産化する。

現地サプライヤーはアイテムごとに異なり、現在20社ほど抱える。そのサプライヤーから納品された梱包材・緩衝材の組み立てをアユタヤ工場で行う。出荷量であるが、精密機械を入れる化粧箱の場合、月に50万個が可能だ。

一方、タイ東部は人手不足が深刻化しているが、アユタヤでは比較的人材は確保できており、定着率も良い部分は大きな魅力ともなっている。

◆取引先拡大に意気込み

同社の主要顧客はアユタヤ県で操業する大手日系精密機器メーカー、約8割を占める。現在課題は取引先の拡大だ。ただ、大半の企業はすでに決まった梱包業者と取り引きをしており、そこに入っていくのは容易なことではない。しかし、「物流コスト低減、環境にやさしい設計を提案をしていく。それを評価していただくかたちで切り込む」と長谷川氏は意気込む。

◆EUの指令に完全対応

「空気をきれいにする夢のパッケージ」を標榜(ひょうぼう)する同社にとり、環境負担軽減は最重要事項の一つだ。そのため、CO2削減への取り組みは徹底している。最善策はエネルギー量を増やさないようにつくること。つまり、従来の半分の材料でできればエネルギーも半分になり、CO2削減につながる。

それだけではない。コンパクトにすれば、一度に運べる量が増え、物流コストも削減される。まさに一石二鳥だ。

原材料の大半はタイ国内での調達となるが、サプライヤーが使用する資材は蛍光X線分析装置で分析し特定有害物質を排除することで、欧州連合(EU)の有害物質使用制限指令(ローズ指令)に完全対応する。

◆タイプラスワン展開

今後の事業展開であるが、アユタヤ工場では、梱包材をただ販売するのではなく、組み立ててから納品する。これを一歩進めたのが昨年操業を開始したサラブリ工場で、製品の梱包代行まで行う。「今後はサービスの部分をより強化していく」(長谷川氏)という。

そして、もう一つがタイプラスワン展開だ。今年1月からバングラデシュの日系企業への梱包材供給がスタートした。「今後もタイから積極的に海外展開を進めていく」(同)とのことだ。(倉林義仁記者)

◆わが社の製品・サービス「包む」技術で「驚き」と「感動」と「安心」を

 
   製品を保護・保持する「緩衝材」を開発することがカネパッケージの仕事と考え、創業以来、「包む」を科学する集団として緩衝材開発に取り組んでまいりました。

機能やコストはもちろん、高まるエコロジーニーズにも対応すべく、「包む」技術を駆使したご提案をさせて頂きます。

緩衝材開発分野に加えて、独自のネットワークを展開し、梱包から配送までをフォローするトータル物流体制でお応えします。

◆空気をきれいにする夢のパッケージ

パッケージの材料となる段ボールは樹木など自然が作り出す限りある資源から造りだされています。弊社は「マングローブ植林活動」を通じ二酸化炭素(CO2)の削減に努め、地球環境に貢献していきます。

「物流コスト低減をお手伝いします」と話す長谷川氏

 
KANEPACKAGE THAILAND CO.,LTD
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